石原良純と伊集院光がバラエティ番組に引っ張りだこ そこには特別な理由があった

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“昭和のオヤジ”枠

「良純さんはこの夏、バラエティ番組のパネラーやロケ番組など、何でもやるタイプで引っ張りだこでした。『ベスコングルメ』では地元の神奈川県・葉山を紹介、博識ですからコメンテーターやクイズ番組にも対応できる実力があります。その一方で毒舌や本音トークでヒール役やイジられ役もこなせるのが強みです。伊集院さんは、良純さんより番組の流れを計算できるところがスタッフに重宝がられています」

 なぜこの2人が人気なのだろう。

「8月12日放送の『ダウンタウンvs Z世代』で2人が共演したことが象徴していますが、令和の今、“昭和のオヤジ”枠を席巻しているのが良純さんと伊集院さんなんです」

 特番の「ダウンタウンvs Z世代」は、昨年8月に初回が放送され、昭和回帰ブームに火をつけた。これまで3回が放送されたが、伊集院は昭和世代代表として全てに出演している。石原は今回が初出演。もちろん彼も昭和代表である。

「この番組が高視聴率を獲得したことがきっかけで、各局が昭和をテーマにした番組を作り始めました。中でも“昭和のオヤジ”枠で重要なのは、まずは昭和をよく知っていること。それも王道の知識ではなく、サイド情報や蘊蓄、体験談やこぼれ話など、昭和ネタをエンターテインメントとして語れなくてはなりません」

 とはいえ、まだ2人とも若いような……。

平成の“昭和のオヤジ”

「平成の時代にも“昭和のオヤジ”枠はありました。梅宮辰夫さん(1938~2019)や中尾彬さん(81)、江守徹さん(79)、梅沢富美男さん(72)などが人気でした。もっとも、当時は頑固オヤジがやうるさ型のオヤジが重宝されました。アニメ『巨人の星』の飛一徹のような頑固オヤジが少なくなったことで、懐かしがられたのだと思います。ところが、今のZ世代は昭和そのものを知らないので、当時のことをわかりやすく面白く伝える能力が重視されます」

 それで石原と伊集院に?

「言うまでもありませんが、良純さんの父は小説家で東京都知事などを務めた石原慎太郎氏(1932〜2022)で、兄弟も政治家。そして、何といっても叔父さんが昭和の大スター・石原裕次郎さん(1934〜1987)です。自身も俳優として芸能活動をスタートしているので、昭和芸能史の裏話にも事欠かない。一方、伊集院さんは“蘊蓄の帝王”の異名があり、『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)では雑学要員として準レギュラーにもなっているほどですから、蘊蓄ネタは豊富です。さらに、立て板に水の語り口も重要です。ラジオで鍛えられたことはもちろん、後に6代目円楽となる落語家の三遊亭楽太郎師匠(1950〜2022)の弟子(後に廃業)として芸能活動をスタートさせたことも大きいでしょう」

 そんな2人が令和の“昭和オヤジ”の代表だ。

「この流れは当分続くでしょう。草葉の陰で、裕次郎さんや円楽師匠も喜んでいると思いますよ」

デイリー新潮編集部

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