令和版ムラ社会系ドラマ「ハヤブサ消防団」のとりこに 登場人物全員が疑わしく見える演技力
亡くなった作家の坂東眞砂子さんが言っていた。物の怪や獣が出そうな高知の山奥で暮らして、怖くないかと聞いたら「最も怖いのは人間だ」と。彼女の作品『くちぬい』は、平成の時代、閉鎖的な集落で次々起こる村八分よりも陰惨な嫌がらせを描いている。因習やたたりも怖いが、すべては人間の排他的な悪意から……なんてことを思い出させるドラマとはみじんも思ってもいなかった「ハヤブサ消防団」。
初回から懐かしの昭和・横溝正史風味が漂い、物語が進むにつれ、現代風の「忌避したい状況」がてんこもりでエグみ増量。...