岡田阪神は優勝の可能性大…ならばMVPは誰か【柴田勲のセブンアイズ】

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バランスのいい阪神

 巨人と阪神を分けたもの、やはり総合力の違いかな。阪神にはずば抜けた成績を挙げている選手はいない。

 でも投打のバランスが実にいい。阪神のチーム防御率は2.73でリーグトップ、巨人は3.59だ。阪神の失点351は最も少なく巨人は427、差は歴然としている。

 本塁打は61本で137本の巨人の半分以下でもチーム打率.249は巨人に次いでDeNAともに2位、451得点はリーグトップだ。効率的に攻めている。

 阪神の優勝マジックは21、このままなら岡田彰布監督が宙を舞うだろう。そろそろMVPは誰か、話題になりそうだ。

 仮に岡田監督が選ぶのなら、近本光司ではないか。他には大竹耕太郎、村上頌樹、岩崎優、大山悠輔らの名前が挙がるだろうが、今シーズンを通して常に岡田監督を助けたのは近本だ。

 岡田監督にも誤算はあったと思う。例えば佐藤輝明、新外国人選手のシェルドン・ノイジーはもっとやってくれると期待していたかもしれない。

MVPは誰か

 MVPはエースかクリーンアップから選出されることがほとんどだ。昨年のようにオリックス・山本由伸、ヤクルト・村上宗隆、二人は2年連続で選出されている。

 だが、前述したように大活躍した選手はいない。そんな中で近本は1番打者として岡田野球を引っ張り続けた。出塁すると俊足でかき回す。下位打線がチャンスを築くとしぶとい打撃で走者を返す。走攻守すべてそろっている。貢献度は非常に高い。

 27日には3回1死、ヨアンデル・メンデスの死球で出塁し、中野拓夢の打席で一塁へのけん制球がボークを取られて二進、3球目を岸田行倫が捕逸、三進した。

 これがオーバーランとなり慌てて帰塁したが今度は岸田が慌てた。三塁へ送球したものの悪送球となって生還した。

 ノーヒットで1点が取れる。どこのチームの監督も助かる。これも俊足のたまものだ。

 打率は3割近く、23盗塁、72得点、得点圏打率.400は、いずれもリーグトップ。言うことなしだ。

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