「VIVANT」「ハヤブサ」「最高の教師」…考察ドラマが流行る“今どきの背景”とは

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「VIVANT」でまず気になるのはノゴーンの言葉

 3本のドラマの考察ポイントをいくつか挙げたい。まず「VIVANT」で気になるのは、テロ組織・テントのリーダーであるノゴーン・ベキ(役所広司・67)の1話での言葉である。

 テントの幹部による自爆テロの爆風でベキの同志と思しきアディエル(Tsaschikher KhaTanzorig)が死亡し、その娘のジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzu)が負傷した。それを知ったベキは「悲しいことばかり起きるな」と、つぶやいた。被害者的な発言であり、身内同士で起きた事故を指すとは思えなかった。身内同士の事故ならベキは責任者だ。テントは一枚岩ではないのか。

 もっと気になるのは、ベキがその際に「(ジャミーンの)退院後は我々が面倒を見る」と言ったのに、世話をしているのが医師の柚木薫(二階堂ふみ・28)であること。3年前にバルカ共和国に入った薫はアディエルと親しかった。テントと何らかの関係があるのか。図らずも今はテントの最終的な標的である日本に戻っている。薫は何者なのか。

 そもそもノゴーンは悪なのだろうか。一方で、テントの活動拠点となっているバルカの政府、そして日本政府は善なのか。2話と3話を振り返ると、そう思う。

 バルカ全権大使の西岡英子(檀れい・52)は、主人公で自衛隊の秘密諜報組織・別班の1人である乃木憂助(堺雅人・49)と警視庁公安部外事課の野崎守(阿部寛・59)、柚木をパルカ政府に売った。大使館の最優先任務は日本人の保護だから、信じがたい背任行為だった。

 その後、バルカ政府の外務相・ワニズ(河内大和・45)は西岡に対し、聞き捨てならないことを言っている。

「小さなことでも協力し合わないと、日本はアジアでの主権を取り戻す機会を失いますよ」(バルカ政府高官)

 なぜ、アジアの主権問題まで持ち出したのだろう。バルカと日本の間には隠された何かがあるのではないか。7話で触れられたバルカの資源問題が背景にあるのか。

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