カロリー制限よりも「プチ断食」! 朝昼夜で「食べるべき食品」が変化 体内時計を大切にする「時間栄養学」とは?
食事制限よりも効果的
こうした体内時計のメカニズムを無視して絶食したところで、効果を得られるはずもありません。従って、やはり夕食後から翌日の朝食までの間に断食することが体内時計に適っています。
そして実際、カロリー制限よりも時間帯を意識したプチ断食=食事時間制限法のほうが肥満やメタボを防ぐ効果が高いという報告があります。絶食時間をもうけることで、当然のことながらその間は糖質などを摂取しなくなるので、インスリンの量を節約できます。そのため、インスリンを出す膵臓を休めることができ、起きてから食事をして高血糖になっても、膵臓が元気なので十分なインスリンが出せて血糖値を下げられる。このようにして、肥満やメタボの予防につながっているのではないかと考えられています。やはり、体内時計に合った絶食時間をしっかり確保することが重要なのです。
12時間絶食がお勧め
なお、12時間という数字は、11時間の絶食ではあまり効果がなかったものの、12時間だと13時間絶食したに近い肥満予防効果が得られたという研究結果から導き出されたものです。また、14時間、15時間も絶食できるかといえばあまり現実的ではありません。朝食を午前8時に取ったら夕食は午後8時までに済ませる。覚えやすさもあり、12時間絶食がお勧めです。
時間栄養学に基づいたここまでの話をまとめると、最良の健康法は「早寝・早起き・朝ご飯(をしっかり食べる)」ということになります。より正確には「早起き・朝ご飯・早寝」です。体内時計は朝を起点に動き始めますから、いきなり早く寝ようとしてもできるものではなく、早く起きることでしか早寝にはつながらないからです。
いずれにしても、“な~んだ当たり前の話ではないか”と思うかもしれません。しかし、この当たり前の話が大事なのです。なぜなら現代人は、とりわけ日本のような先進国で暮らす人は、この当たり前ができていないからです。
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