カロリー制限よりも「プチ断食」! 朝昼夜で「食べるべき食品」が変化 体内時計を大切にする「時間栄養学」とは?
日本人の3人に1人が高血圧
昼食では、「味」を意識してみるのがいいのではないでしょうか。というのも、味覚も体内時計によってコントロールされていて、塩辛さに対しては朝が一番敏感で、昼以降は鈍感になっていきます。したがって、朝よりも昼のほうが塩辛い味付けを受け入れてしまう可能性が高くなるわけです。塩分過多は高血圧の原因であり、実に日本人の3人に1人、約4300万人が高血圧ともいわれています。
塩分過多になるのを防ぐためには、カリウムが多く含まれる野菜を昼食で積極的に取るといいでしょう。カリウムは、体にたまったナトリウム(塩)を体外に排出してくれるからです。イモ類、カボチャ、ニラ、ナス、セロリ、キャベツ、白菜。こうしたカリウムを豊富に含んだ野菜がお勧めです。
夕食では、遅い時間での糖質摂取に気を付けたいところです。夜遅くに糖質を取ると、体内時計が遅れて生活リズムが夜型になってしまいます。それを避けるには、夕方くらいに糖質の多い主食を食べて、帰宅してから主菜や副菜を食べるのもひとつの手です。回数を分けて3食以上に「分食」することは、一日の食事の総量が増えなければ、1回の食事量が減少するため、ドカ食いによって一気に高血糖になって再び急激に下がる血糖値スパイクを防ぐことにつながります。
ちなみに、夜中に無性にカップラーメンが食べたくなることはありませんか? これも体内時計のなせる業といえます。夜中はドーパミンが分泌されやすく、糖質と脂質が中心のカップラーメンを食べることで幸福感に満たされ、病みつきになってしまうのです。
「プチ断食」の正しいやり方
時間栄養学の観点から3食それぞれについて説明してきましたが、もうひとつ大事なのは夕食から翌日の朝食まで、12時間の絶食時間を作ることです。
ある一定の時間、ものを食べない「プチ断食」というダイエットがはやっていますが、試してはみたものの効果が出なかったという方も少なくないのではないでしょうか。そうしたケースでは、絶食する時間帯が間違っている可能性が考えられます。
朝から夕方まで断食して夜に食べるというのもプチ断食ではありますが、これは明らかに体内時計のリズムに反しています。一日の活動が始まる朝には食事から摂取した栄養をエネルギーに変えようとし、逆に後は寝るだけの夜は日中に使い切れなかったエネルギーを脂肪としてため込もうとします。翌朝、仮に何も食べなかったとしても私たちが動き、働けるのは、こうして夜間にためた脂肪をエネルギーとして使えるからです。
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