カロリー制限よりも「プチ断食」! 朝昼夜で「食べるべき食品」が変化 体内時計を大切にする「時間栄養学」とは?
朝食向きの食品は?
それでは、その大切な朝食には何を食べればいいのでしょうか。
肝臓にある末梢時計はインスリンの量が増えることによって動き出します。したがって、体内時計を動かす力が大きいのはインスリンが出やすい食べ物ということになります。
血糖値の上昇と、それを下げることができるインスリンの分泌量はリンクしていますので、インスリンが出やすい食べ物を取ると高血糖になってしまうのではないかと心配する方もいるでしょう。
確かに昼食や夕食での血糖値の上昇は肥満へとつながります。しかし、体内時計によって朝は血糖値を下げるインスリンの効果が高くなっているので、朝食での血糖値上昇はそれほど気にする必要はありません。インスリンが出やすい、つまり血糖値を上げる食べ物は当然のことながら糖質を含んだものになりますので、白いご飯は朝食に適しているといえます。
また、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれていることで知られる魚の脂は、インスリンの分泌を促す働きのある「GLP-1」というホルモンを出すため、サケやサバ、サンマといった魚も朝食には適しています。
さらに、タンパク質を食べることで、インスリンとよく似た物質の「インスリン様成長因子1(IGF-1)」が分泌されます。これがインスリンのように体内時計を動かすので、タンパク質を豊富に含んだ食材、納豆などの大豆製品や肉類なども朝食向きといえます。
昔ながらの和朝食が合理的
白いご飯に魚に納豆。
つまり、昔ながらの和朝食は、時間栄養学の観点から考えると非常に理にかなっているのです。
なお、納豆に関して言うと、冒頭で触れたように骨粗鬆症対策であれば夕食が効果的で、一方筋肉をつけるには、体内時計を動かす点、タンパク質が豊富である点から、朝食べることで効果をより発揮します。まさに「何を」ではなく「いつ」食べるかによって効果が変わるわけです。時間栄養学を象徴している話といえるかもしれません。
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