公明党が“国交大臣”を絶対に手放さないのはなぜか 元幹部は「田中角栄と竹下登の政治手法が原点。次は上田勇で決まりか」

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田中派に学んだ公明党

 1972年から首相を務めた田中角栄氏(1918~1993)は、就任当初、「今太閤」や「庶民宰相」と呼ばれて圧倒的な人気を誇った。その評価が一転したのは74年だった。

 この年、ジャーナリストの立花隆氏(1940~2021)が「田中角栄研究~その金脈と人脈」を月刊文藝春秋に発表。世論は田中氏に対する評価を一変させ、「金権政治」に厳しい目を向けるようになった。

 公明党も野党として自民党の金権体質を批判した。ただし、攻撃一辺倒ではなく、秘かに“角栄流の政治手法”を分析し、自分たちのものにしようと研究していたという。

「今の国交省、つまり当時の運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁の利権を押さえていたのが角栄さんでした。さらに、農林水産省が管轄する農業土木も負けず劣らずの巨大な公共事業です。農道整備は道路族の利権に類似し、農業用水の整備のためダムを造ることもあります。こちらの利権は竹下登さん(1924~2000)が独占していました。つまり、公明党は田中派の手法を学び、自公連立政権で再現したのです。田中派が自民党内で権力を失い、清和政策研究会(安倍派)が伸長していたことも追い風となりました」(同・元幹部)

次の大臣も決定済み

 先に公明党議員の副大臣と政務官の就任状況を紹介した。今度は農水省に限定し、歴代の副大臣と政務官の数を見てみよう。

 自公連立政権が誕生してから副大臣は2人、政務官は8人という具合だ。公明党が農水省に食い込んでいることは一目瞭然で、これは極めて興味深い。

 国交相に話を戻せば、何と公明党は斎藤氏の次に就任させる議員も決めているという。自民党には絶対に渡さないというわけだ。

「次は参議院議員の上田勇さん(65)でしょう。1993年の衆院選に旧神奈川1区から出馬し、以後、5回連続で当選。2009年に落選するも12年に国政に復帰。17年に再び落選すると、昨年の参院選に比例区から出馬して当選しました。上田さんは東大で農業工学を学び、農林水産省に入省。公共事業についても詳しく、公明党は国交相が充分に務まると考えているはずです。これほど準備を積み重ねている公明党に対し、自民党はポスト奪還のためどんな対抗策を繰り出すのか、多くの関係者が注視しています」(同・元幹部)

デイリー新潮編集部

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