「2億円の借金を返すために作家になった」 直木賞作家・山本一力が語った凄絶な貧乏暮らし 「受賞した段階でまだ400万円の借金が」
時代小説の名手で直木賞作家の山本一力氏。かつて2億円の借金を背負った際、返済のために書き始めた小説でデビューすることになった山本氏が、借金完済までの道のりを語った。
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俺も75年の人生でいろんな借金をしてきたけれど、金を借りるってことには大きく分けて二つあると思っているんだ。
一つは、前向きな借金。もう一つは、後ろ向きな借金。
俺は18歳で高校を卒業した後に旅行会社の近畿日本ツーリストに入社したんだ。当時、どうしても家にオーディオセットが欲しくてよ。...