2000年代から目立ち始めたジャニーズ帝国と「うそ」との関係性の変化 24時間テレビ出演の「美 少年」も問題動画で炎上

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最も心配しているのはあの「リーダー」? 陰で後輩たちに手を差し伸べ続ける「アイドル論」の本質とは

 奇しくもその状況を言い当てたと思われるのが、元SMAPリーダーの中居正広さんだ。先日の「金曜日のスマイルたちへ」で、元V6の井ノ原さん・坂本昌行さん・長野博さんとのトークで、「あっちも良くて、こっちも良くって、そんなうまくいくわけねえじゃねえか」と笑っていた。プライベートと仕事の両立だけでなく、本音と建前のことも指した言葉だったのではないか。つらくてたまらない時も、王子様に徹しなくてはならないのは苦しい。しかしそこをグッとこらえなければならない、ということだろう。

 テレビには出続けたいが、羽目を外すのもやめられないというのではアイドルは成り立たない。

 それはマネジメント側にも言えることで、人気者なら何でもありと甘やかしつつ、何かあった時は本人の自覚のなさや自己管理不足に帰するようなやり方ではダメだという苦言でもあるのかもしれない。

 番組の最後には、「“自分の人生さえ良ければ”って思っていると、エンターテイメントってどっか濁ってしまう」と結んだが、それは井ノ原さんへのエールでもあり、後輩たちへの叱咤でもあり、古巣への願いでもあり、何より自戒の言葉だったろう。

 ショー・マスト・ゴー・オン。ひとたび幕が上がれば、事務所に文句があろうと自分のコンディションが悪かろうと、エンタメにしなくてはならないのがアイドルだ。その報われなさと歯痒さを、中居さんはきっと痛いほど知っている。だから滝沢さんの引退時やV6の解散時、三宅健さんの退所時など、後輩がひと区切り終えたタイミングでは必ず労(ねぎら)いの連絡をするそうだ。その理由を問われて、「気にかけてくれる人がいたよ、って言ってあげたい」と語っていた。

 大ヒット中のYOASOBIの楽曲「アイドル」で、歌詞の中に最も登場する言葉は、かわいさでも笑顔でもなく「うそ」である。原作ありきの作詞なので、実在するアイドルと同列には語れない。でもこれはアイドル論にも通じるのではないか。

「美しいうそをつき続ける覚悟」いや、「夢を見せ続ける覚悟」が、いま改めて事務所に問われているのだろう。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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