2000年代から目立ち始めたジャニーズ帝国と「うそ」との関係性の変化 24時間テレビ出演の「美 少年」も問題動画で炎上

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 恒例化しているジャニーズ祭り番組のひとつといえば、日本テレビの24時間テレビだ。ただ、ジャニー喜多川氏の未成年に対する性加害問題で国連まで調査に乗り出した今、社会問題を扱う番組でのジャニーズタレント起用はいろいろと物議を醸している。先日は系列局の中京テレビでメインパーソナリティーを務める美 少年メンバーの問題動画が明らかに。楽屋でシュークリームを投げつけていた那須雄登さんと、撮影者の佐藤龍我さんは猛批判を浴びた。動画は5~6年前のものだそうだが、チャリティー番組の出演者としては不適切だという批判を浴びるのもこのご時世では仕方ない。

 醜聞のみならず、退所者も雨後のたけのこのように増えているジャニーズ事務所。ベテランから新人まで、一斉に逃げ出そうとしているかのようだ。那須さんらの行動に対しては、事務所及びジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦さんが謝罪文を発表。井ノ原社長は「人として、アイドルとして許される行為ではありません」と断罪している。でも「アイドルとして許されない行為」とは具体的にはどういうことか、若いジャニーズたちには共通認識がそもそもなくなってきているのではないだろうか。

2000年代から目立ち始めたスキャンダルと退所 アイドルとしての意義が空洞化していた“2018年ショック”

 デビューから間もないメンバーのスキャンダルや退所は、2000年代から顕著になったように感じている。CDデビュー年で並べると、2003年のNEWS、2004年の関ジャニ∞、2006年のKAT-TUN、2007年のHey! Say! JUMP、2011年のKis-My-Ft2、Sexy Zoneなど。元メンバーに薬物犯罪者が複数出たKAT-TUNは言わずもがな、Kis-My-Ft2はグループ結成翌年に1人が脱退、関ジャニ∞も最終的にメインボーカル2人が抜けている。NEWSは9人体制だったが、デビュー3カ月で森内貴寛(ONE OK ROCKのTAKA)さんにスキャンダルが発覚し脱退。以後、有名アイドルとのツーショット写真流出等もあった手越祐也さんも脱退し、今では3人しか残っていない。

 2000年代といえばEXILEのデビューが2001年、東方神起のデビューが2004年。歌って踊れるイケメンというセールスポイントが、ジャニーズだけのものではなくなってきた時期と重なる。そうなると規範意識など二の次で、メディア映えするルックスや技能を持つ者を優先するような判断があったとしてもおかしくはない。それは品行方正さやグループの統制を心掛けてきたメンバーにとっては虚しく映るだろう。その結果が体調不良者や脱退者の続出であり、滝沢秀明さんの独立であり、美 少年メンバーのおごりにつながっていったというのはうがち過ぎだろうか。

 滝沢さんが引退したのは2018年末だが、この年は他にもさまざまな危機が事務所に訪れた。元TOKIOの山口達也さんやNEWSの小山慶一郎さんは、未成年女性への不適切な行為が発覚。山口さんは退所となった。またKing&Princeの岩橋玄樹さんとSexy Zoneの松島聡さんがパニック障害により活動休止。関ジャニ∞の渋谷すばるさんは退所を発表した。那須さんの問題動画とも時期は重なる。空気の淀みや緩みがまん延し、ジャニーズであること、アイドルであることの意義を見失うメンバーたちが増えていたのではないだろうか。

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