「有吉の壁」で人気上昇中…タイムマシーン3号を苦しめた“呪縛“とは何か

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殻を破って人気芸人の仲間入り

 成果はすぐに出た。2015年の「M-1」では決勝進出を果たして、優勝こそ逃したものの高い評価を得た。2016年には「キングオブコント」でも決勝に進んだ。自分たちのネタが玄人ウケしないことにコンプレックを抱えていた彼らが、ようやく殻を破ったのだ。

 最近では日本テレビ「有吉の壁」出演がきっかけとなって、人気も上昇している。オフィシャルYouTubeチャンネルの登録者数も78万人を突破しており、すっかり人気芸人の仲間入りを果たした。

 そもそも、芸人の芸とは観客の前で披露されるものだから、観客にウケること自体は誇るべきことであり、何も恥じることはない。ただ、「玄人にウケない芸人は一人前とは言えない」というような感覚が業界の中で共有されていることも事実であり、彼らもその呪縛に苦しめられてきた。

 そこから解放されて、いい意味で開き直れたことで、タイムマシーン3号は新たなステージに到達した。素人ウケは彼らの弱みではなく強みである。今後はその地位をますます盤石なものにしていくだろう。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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