収賄疑惑の秋本真利議員は「議員特権」で中山競馬場の「VIPルーム」を利用していた 「10人くらいで行った」と支援者が証言
廊下に出ると、他の国会議員もいた
しかも、男性は「廊下に出ると、テレビで見たことがある国会議員2、3人と出くわした」と明かすのだ。
いったいどういう仕組みになっているのか。JRAに取材を申し込んだところ、書面で回答が届いた。
質問 JRAが運営する競馬場内の貴賓室・来賓室を秋本氏がどのくらい利用していたか、どういう理由で申請され、許可されたのか教えてください。
《来賓の方のご来場の履歴をお答えすることは出来ません》
質問 国会議員による貴賓室・来賓室の利用実態を教えてください。年間に何人、何件の利用がありますか。国会議員が利用する場合のルールも教えてください。地方議員でもそのような利用があるならば、同様に教えてください。
《来賓席の利用については、マスコミ関係者やイベントの協賛企業関係者のほか、政財界や競馬場所在地の地元関係者など、中央競馬の健全な発展と社会的地位の向上を図るために競馬開催や運営について理解と協力を求めることが必要と本会が判断した方々について、対応可能かつ適切な範囲で利用していただいています。また、来賓の方のご来場の履歴をお答えすることは出来ません》
質問をはぐらかすJRA
何を聞いてもこんな感じで、正面から質問に答えようとしないのだ。「使用料がかかるのか」という質問に対しては、《国会議員に限らず、来賓席利用者から席料は徴収しておりません》。「エリア内でどのようなサービスを受けられるのか」という問いには、《有料で飲食が可能となっています》とだけ回答した。
問題なのは、秋本氏の利用が「視察」などの仕事ではないことだ。しかも、彼は一般客が入れないVIPルームに支援者を招き、特別なサービスを受けさせていた。有権者への利益供与とも受け止められかねない行為だが、それについて聞いても、
〈お答えする立場にありません〉
JRAを監督する農林水産省にも聞いたが、
「競馬法5条と省令で、国会議員に対しては競馬場の入場料は無料となっておりますが、貴賓室・来賓室の利用実態については把握していないのでお答えできません」
秋本氏にもファクスで質問状を送ったが期限までに回答はなかった。
神戸学院大学法学部の上脇博之教授は、JRAの回答にこう疑問を呈す。
「JRAと国会議員との癒着を疑われかねない話であり、国会議員の招待についてどのようなルールがあるのか、JRAは説明責任を果たすべきです。議員特権で来賓室を利用していたならば、国会議員にも説明責任が生じます」
JRAが国民の知らないところでこっそり、貴族の社交場のようなサービスを国会議員に提供し、さらに議員が好き放題、利用している実態があるならば、許し難い話である。