岸田首相がいまさら「資源争奪」「生成AI」の入門書? 首相の「夏休みの課題図書」の読み方

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台風で小旅行は取りやめに

 岸田文雄首相はもともとの予定では、8月11日から夏休みに入り、12、13日は裕子夫人と静岡の農村宿でのんびり英気を養うはずだった。しかし、台風の襲来でそれは取りやめに。結局のところ11日に東京・丸の内の書店で本を求め、翌日にデパートでショッピングをしたくらいで、あとはほとんど公邸に引きこもったままだった。

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 15日に戦没者追悼式へ参列し、17日には日米韓首脳会談に臨むため、慌ただしくアメリカへとたった総理。

 さらに、19日の深夜に帰国したと思ったら、明くる8月20日には、福島第一原発の多核種除去設備(ALPS)の前に立つ。改めてその動静を追うと、まさに多忙を極めている。

 ヘルメットとマスクの隙間からわずかにのぞく目が険しく、疲れた様子に見えるのも無理はないだろう。

購入した書籍のタイトルは?

 その短い夏休み、岸田首相が丸の内で購入した書籍に注目してみると――。

 計10冊を購入したといわれているが、書名が明かされたのは5冊。

『地図でスッと頭に入る世界の資源と争奪戦』、『世界資源エネルギー入門』、『まるわかりChatGPT&生成AI』、『アマテラスの暗号』、『街とその不確かな壁

 である。

 文芸書を除けば、時事問題の勉強が多め。

“スッと頭に入る” “まるわかり” “世界の全体像が理解できる” などなど、初心者向けっぽい入門書が多いことを向学心の表れと感心すべきか、ここから始めるのだろうかと不安に思うかは人それぞれだろう。

 ただ、首相が休暇に入る前に、書店に立ち寄り購入した本を公開する、というのは比較的よく見られる記者クラブ向けのサービスの一つである。その際、書名もニュースとなるため、そもそものチョイスに政治的な計算が含まれていることも珍しくない。

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