「国会議員の“バカンス”に4億円の税金が」「VIPルームに観劇チケットまで…」 驚くべき「アテンド」の内容とは?

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“抜け穴”的な規定が

 先の政府関係者が言う。

「文書の中に、こんな一節があります。『公的用務で外国を訪問する場合でも、休日等に私的目的で地方や市内の観光地の視察を行う場合には、公用車の配車や館員による同行は、原則として実施できません』。これに従うならば、在外公館は、やって来た議員の私的行動には便宜を図らなくても構わない、ということになります」

 ところが、と続けて、

「これにあわせて衆参両院の事務局あてに、外務省の官房総務課が作成した文書があります。実はそちらにこそ、現状の問題を解くカギが隠されている。『国会議員の公務による外国訪問に対する便宜供与に係るガイドライン』という、河野外相が策定したものと区別がつきにくい代物ですが、そこには公私混同を今後も認めるかのごとき“抜け穴”的な規定が連綿と記されているのです」

 例えば、政府関係者の話に基づくと、こんなくだりがあるそうだ。

〈(国会議員が)公的用務の合間に、市内視察・買物等を組み込む場合には〉

 と前置きし、

〈公的用務の急な日程変更等に柔軟に対応できるようにするとの観点及び在外公館として便宜供与を円滑に遂行するとの観点からも、公用車を継続的に配車し、派遣員を含む館員が同行することは、常識的な範囲内であれば差し支えない〉

 何のことはない。公務の間に私用が挟まっている形なら、諸般「円滑に」進めるために公用車を使い、在外公館員を使役していい、と宣(のたま)っているのである。

上っ面の改革

 国会議員向けに「外遊先で休日に私的な行動を取る場合はアテンドしません」と説明しつつ、ガイドラインと称する現実の運用方法を示した文書では「公務の合間の私用という態ならOKです」とこっそり耳打ち。議員の特権へのお墨付きが裏で与えられていたのだから、翔太郎氏が公用車で堂々、安心して買い物に興じたのも無理はない。

 上っ面の改革ばかりで実効性は置き去り――。今回垣間見えたこうした欺瞞(ぎまん)もまた、河野流と言うべきか。

 目下担当大臣を務めるデジタル庁でも何かにつけ改革を謳い、その実、ロクな成果もないどころか混乱ばかりを招来している姿と重なって見える。

配偶者も家族も秘書も

 先の政府関係者いわく、

「ガイドラインには他にも『本邦での手配が困難な借り上げ車の予約、ガイドの手配、観劇等のチケットの手配等については、館務に支障のない範囲で、在外公館にて手配しても差し支えない』と記されています。空港での有料のVIPルームの使用についても『真に必要な場合に限る』としながら、事実上受け入れる格好になっているのです」

 驚くべきは、恩恵に浴することができる者を、ご丁寧に議員以外にもわざわざ広げて定義していること。

「ガイドラインによれば、同行秘書だけではなく、配偶者や家族、支援者についても『国会議員と同一行動を取る限りは』として『可能な範囲で、空港送迎・用務先への配車への同乗等に配慮することとする』。これも、実態として全面容認の形です」

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