「中国」「サウジ」マネーが大量流入! 世界から「日本アニメ」が“最強コンテンツ”と映る理由
皇太子の財団も出資
8月5日、往年の人気テレビアニメシリーズ「UFOロボグレンダイザー」が、約50年の時を経て「グレンダイザーU」としてリブートされることが発表。往年のファンやアニメ業界関係者を驚かせた。
制作陣には「機動戦士ガンダムSEED」や「新世紀エヴァンゲリオン」「コードギアス反逆のルルーシュ」などのスタッフが名を連ねるが、このプロジェクトの中心にあって、海外配給・ライセンス権などを一手に取り扱うのが「マンガプロダクションズ」という会社だ。サウジアラビアに本社があり、同国の実力者ムハンマド皇太子直系のミスク財団のグループ会社である。
サウジアラビアが掲げる「脱石油」「エンタメ立国」の実現に向け、いまやアニメやマンガは「新産業」を形成する重要コンテンツとの位置付けだ。実際、マンガプロダクションズは東映アニメーションと共同で、同国初の劇場アニメ「ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語」を製作。その他にも、同国内で開催される大型エンターテイメントイベントに日本のアニメやアニソン・アーティストを多く招聘してきた経緯がある。
さらに「中東最大」といわれるサウジアラビアのメディアグループMBCも、日本アニメのライセンスやプロモーション、制作に投資するブランド「MBCアニメ(MBC Anime)」を立ち上げたばかりだ。MBCグループはアラビア語圏最大の動画配信プラットフォーム「シャヒード」を運営しており、世界で日本アニメの“青田買い”が始まっているのだ。
今後はNetflixなどの欧米資本だけでなく、日本アニメの制作に中国や中東マネーが流れ込む「ファイナンスのグローバル化」が進むと予想されている。言葉を換えれば、世界中からお金を吸引する魅力が、いまの日本のアニメにはあるということだ。