「中国」「サウジ」マネーが大量流入! 世界から「日本アニメ」が“最強コンテンツ”と映る理由

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「中国資本」の出資攻勢

 テンセント側の狙いは何か。ビジュアルアーツを子会社化したことで、同社の持つ作品群を中国市場で展開可能となった点はメリットだ。しかしテンセントの真の目的は、ビジュアルアーツという優良企業そのものと、同社が持つIP(アニメや漫画、キャラクターなどの知的財産権)という“宝の山”だったと考えられる。それにより、日本や世界を舞台にさらなる収益を生むことが期待できるのだ。

 日本のアニメやゲームコンテンツに熱い視線を送る中国企業はテンセントだけではない。テンセントのライバルと目される中国のIT企業「ネットイース」もその一つ。今春、東京ビッグサイトで開催された国内最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2023」に、見慣れないブランドの巨大ブースが出展されて話題を集めた。

 ブースには新アニメプロジェクト「ANICI」の文字が躍ったが、このANICIを運営する会社NICIは、ネットイースの関連会社である。ANICIは「長期的な視点で日本アニメを創出する」ことを謳うが、要はネットイースが出資者として企画段階から日本のアニメに関わる姿勢を示したものだ。

 近年、中国企業による日本のエンターテイメント業界への出資が相次ぐが、多くは一般に公表されることはないため、ビジュアルアーツやANICIの例は“氷山の一角”に過ぎない。

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