新生「侍ジャパン」で監督選考が難航中 本命視される工藤公康氏の周囲に異変か
発表が遅れている理由
人選における最大の問題は、言うまでもなく連覇できるかどうかだ。次の代表監督はその重圧とも戦うことになる。だが、正式発表が遅れている理由はそれだけではないようである。
そもそも、侍ジャパンを統括・運営している株式会社NPBエンタープライズでは、9月10日まで行われる「第31回WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」までを“2023年度”という捉え方をしていた。「第7回WBSC U-12 ベースボールワールドカップ」は8月6日まで、「第11回BFA U-15 アジア選手権」が8月26日まで行われていたが、NPBエンタープライズと侍ジャパン強化委員会は、甲子園球児も出場するU-18大会の前後に新監督の発表会見を開きたいとしていた。
「本命とされていた工藤氏との調整が難しくなってきました。工藤氏の奥さんが体調を崩されたようです。工藤氏は愛妻家で、現役時代の体調管理や食生活を支えてくれた夫人に感謝しています。野球に集中できる環境になってから…」(前出・関係者)
このところ工藤氏は、野球関係者や現役時代の同僚たちとの食事会をキャンセルするようになったという。自身を支えてくれた関係者への感謝、恩義を今も大切にしており、周囲の人たちは「人付き合いの良さ」を知っていたので、昨今のキャンセルにはクビを傾げていたそうだ。心配して連絡を入れた者たちは「ゴメン。ちょっと母ちゃん(夫人)が」と打ち明けられたという。
「詳しい容態までは分かりません。ここからは推測になってしまいますが、侍ジャパンに集中できないとして代表監督を辞退されるかもしれませんし、就任の発表を遅らせてくるかもしれません」(前出・同)
NPBエンタープライズと侍ジャパン強化委員会が工藤氏を評価しているのは、ソフトバンク指揮官時代の実績。7年間でリーグ優勝3回、日本シリーズ制覇5回。その優勝回数を上回る日本一の数から、「クライマックスシリーズ、日本シリーズなど短期決戦に強い」と見られており、“初見のピッチャー”との対戦も続く国際試合でも侍ジャパンメンバーの長所を十分に引き出してくれると判断したからだ。
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