【ススキノ頭部切断殺人】田村瑠奈容疑者はナイフの収集家だった…小学生時代に同級生を脅迫した逸話との関係性に注目 異常な「動機」の可能性も

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犯行も頭部も動画で撮影

 殺人は絶対的な悪だとはいえ、瑠奈容疑者はトラブルに追い詰められ、相手を殺害するしかないと判断。犯行後は証拠隠滅のため遺体をバラバラにしようとしたが、時間の経過と共に体力や気力が失われ、頭だけを持って帰った──もしススキノの殺人がこのような事件だったとしたら、瑠奈容疑者に対するイメージも今とは相当に違ったはずだ。

 だが、この事件は「追い詰められた女性による犯行」とは考えにくい要素があまりにも多い。例えば、北海道新聞は8月20日、「ビデオカメラ持参か*ススキノ殺人*娘、襲撃時撮影」との記事を朝刊に掲載した。

《捜査本部は、瑠奈容疑者とみられる人物がホテル客室の浴室で刃物を持ち、後ろ手に拘束された男性を背後から襲う様子が写った動画を押収した。同容疑者がこのカメラをホテルに持ち込んだ上で、自ら客室に設置し、撮影したとみられる》

《3容疑者の自宅浴室では、瑠奈容疑者とみられる人物が手袋を着用し、切断された男性の頭部に触れる様子が写った動画が撮影されていた。捜査本部は襲撃時と同様に、同容疑者が同じカメラで撮影したとの見方を強めているほか、同容疑者が動画撮影に強い関心を持っていた可能性もあるとみて調べている》

《瑠奈容疑者と男性は5月下旬にススキノのダンスクラブで知り合った際にホテルに行き、トラブルになったとされる。同容疑者はその後、修容疑者と一緒に札幌市内の量販店を複数回訪れ、ナイフやのこぎり、おもちゃの手錠などを買いそろえていた。捜査本部は、瑠奈容疑者がホテル客室の浴室で男性を手錠で拘束し、ナイフのような刃物で殺害した後、のこぎりなどで首を切断したとみている》

快楽殺人の可能性

 碓井氏は「当初は深刻な交際トラブルが背景にあり、事件は瑠奈容疑者がやむにやまれず殺害してしまったのが原因と受け止めていた方も多かったでしょう」と言う。

「しかし、最近の報道を見るに、瑠奈容疑者は殺人という行為自体に興味を持っていた可能性が浮かび上がってきました。もしDVの被害に悩んでいた女性が交際相手を殺したとして、犯行の様子を動画で記録し、遺体の一部を保管するでしょうか? 殺人に強い関心を持って犯行に及んだ事件では、少なからぬ犯人が犯行の状況を記録し、遺体の一部を“戦利品”のように保管していました。瑠奈容疑者の行動と共通点が認められるわけです」

 女性の殺人犯が少ないのは前に見た通りだ。まして女性で「殺人自体に強い関心を持っていた犯人」となると、洋の東西を問わず類例は少ないという。

「女性の殺人犯が『人がどうやって死ぬか興味があった』、『人体の内部がどうなっているのか見たかった』と供述した事件は過去にありました。“死”に対する強い関心から殺害に及んだわけですが、“殺人”そのものに関心を持っていたわけではありません。こうした事件は大半が男性による犯行です。瑠奈容疑者の犯行にそうした傾向が認められることは、多くの専門家も注目しているでしょう」(同・碓井氏)

 この問題について真相を解明する際にも、カッターナイフのエピソードとナイフの収集家だったという事実は重要な意味を持つという。

「瑠奈容疑者は小学生の時、カッターナイフにどのようなイメージを持っていたのか。なぜ男子児童の首に突きつけたのか。果たして、いつからナイフの収集を始めたのか。そのきっかけは何だったのか。ナイフを収集するとどんな気持ちになったのか。収集の目的は何だったのか……。こうしたことを一つ一つ明らかにすることで、少しずつ事件の真相解明に近づくことができると考えられます」(同・碓井氏)

デイリー新潮編集部

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