血を流して倒れた男性のそばにあった拳銃 男性の素性から見えてくる元ヤクザならではの「入手ルート」

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住宅街で発生

 8月4日、大阪・堺で60代の男性が血を流して倒れているのを家族が発見し、病院に搬送されたが死亡する事件が発生した。男性のそばには拳銃があったことから、暴力団絡みの事案であることが想定されたが……。落ち着いた住宅街に拳銃という不釣り合いな組み合わせとなった本件の中身についてお伝えする。

「8月4日の午後5時過ぎ、大阪府堺市東区菩提町の住宅を訪れた女性が、倒れている男性を発見したそうです。男性は寝室のベッドの上で左胸から血を流しており、右手の手元には拳銃が落ちていたと言います。室内に荒らされた形跡はなかったようです」

 と、担当記者。拳銃と言えばヤクザというのが通り相場だが……。

「男性は、6代目山口組の2次団体・古川組(本部:兵庫県尼崎市)で若頭補佐などを務めた西野興業の西野昭宏組長だということです」

 と、竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長・現在はNPO法人「五仁會」を主宰)。

「私は古川組の古川雅章組長に舎弟として仕え、古川組長が2005年に引退するタイミングでヤクザ人生にピリオドを打ちました。西野組長とは同じ釜の飯を食ったことになりますね」(同)

古川恵一組長が蜂の巣のように

 少し、古川組について説明しておこう。近年は内紛や銃撃と物騒な話題が多かったようである。

 初代の古川雅章組長は5代目山口組では若頭補佐、そして6代目では舎弟として組織を支えた。2005年に引退。

 その後継は実子の恵一組長だ。恵一組長は2代目古川組を名乗り、6代目直参となったが、2015年の神戸山口組の旗揚げに従って移籍。6代目山口組と袂を分かったことになる。

 2017年には3代目古川組総裁に就任して、跡目を仲村石松3代目古川組組長に譲る。
ところがここで内紛が勃発。2代目古川組の山崎博司若頭が手下の組員と共に任侠団体山口組(現・絆會)に移籍。「自分たちこそ2代目古川組である」と主張し、古川組は実質的に分裂状態となった。

 一線を退いた後の恵一総裁は6代目側から何度か襲撃を受けており、2019年11月、尼崎市内の路上で、アメリカ製自動小銃・M16で蜂の巣のように銃撃され、即死している。

 この事件で逮捕・起訴されたのは朝比奈久徳被告は、6代目直参の2代目竹中組の元組員で事件の1年ほど前に破門された身だった。2022年に無期懲役の刑が確定している。

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