「退任既定路線」石井一久監督が1年でGMに逆戻りのナゼ 楽天がすがる“球団生みの親”の新監督候補とのコネ

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三木谷オーナーと古田氏の縁

 親会社は携帯電話事業の不振で経営難に陥り、球団に来季に向けた補強費は望めない。国内フリーエージェント(FA)となる松井裕樹ら主力選手に流出の可能性もある。かみ合っていなかった戦力が、さらに低下する危機に瀕している。

「誰が監督でも立て直しは厳しい状況で、親会社からはバックアップも期待できない。しかも楽天の監督は、采配で三木谷(浩史)オーナーの介入に悩まされることは有名。後任監督の選定は難航を予想している」(同前)

 来季監督を巡っては、福島県出身の中畑清氏(元DeNA監督)ら東北出身者が候補に挙がる中、三木谷オーナーの本命には古田敦也氏(元ヤクルト監督)が有力視されている。かねて監督交代のたびに古田氏の名前が浮上してきたが、今オフこそ本腰を入れるようだ。

「オーナーと古田さんは(元議員の)鈴木寛さんが共通の友人で、以前から親交がある。何より(04年の)球界再編騒動でプロ野球選手会のトップ(選手会長)として1リーグ制に強硬に反対し、12球団2リーグ制を維持したことで、結果的に楽天の新規参入につなげた。古田さんなくして楽天の誕生はなかったと言っても過言ではない。古田さんの招聘は、球団が球界に参入できたことを恩返しする構図になる」(楽天球団関係者)

「古田新監督」招聘が「石井GM」最初の大仕事?

 古田氏は07年に選手兼任だったヤクルト監督退任後、監督就任は実現してこなかった。古巣での監督復帰の機運は高まっておらず、8月6日で58歳になり、再登板には限界に近い年齢に差しかかってきた。

 そうした状況で、懇意のオーナーの就任要請といえども、古田氏が二つ返事で受諾するわけではないようだ。

「選手兼任だったヤクルト監督時代の年間は(3、6位と)期待された成績を残せなかった。次は失敗するわけにはいかない。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の次期監督就任にも後ろ向きだったように、クレバーな古田氏が今、泥船のような楽天に乗ることには躊躇があるだろう」(前出の元監督)

 そこで、石井GMに腕を振るう余地があるというわけだ。

 言うまでもなく、石井監督はヤクルトでの現役時代に古田氏とバッテリーを組んだ。野村克也監督の下、日本一に貢献するなど苦楽を共にし、気心は知れている。

「期待するのは石井さんの古田さんと現役時代からの仲。GMとして声を掛ければ、古田新監督の可能性は膨らんでくるかもしれない」(前出の楽天関係者)

 楽天が参入したのは04年オフだった。来季はちょうど20年目を迎える。節目のシーズンで、球団の「生みの親」とも言える古田氏の監督就任はあるのか。石井監督がGM復帰すれば、最初の大仕事になるかもしれない。

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