「退任既定路線」石井一久監督が1年でGMに逆戻りのナゼ 楽天がすがる“球団生みの親”の新監督候補とのコネ

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GMとしての手腕は疑問だらけ

 プロ野球楽天は残り30試合余りとなった今季もクライマックスシリーズ(CS)進出が危ぶまれる状況になっている。就任3年目の石井一久監督(49)は契約最終年。CSを逃せば退任は既定路線だが、複数の球界関係者によると、退団はせず、来季はゼネラルマネジャー(GM)に復帰することが確実だという。

 昨季まではGMを兼任した。積極的な補強を成績に結び付けられないなど、その手腕には疑問符が付いていただけに、意外な人事だが、これには来季の監督問題に関わる深い事情が――。

 石井監督は今季、GM職から外れて采配に専念し、背水の陣で臨んだ。しかし、チームは開幕直後を除くと終始、勝率5割以下と精彩を欠いている。

 楽天の支配下選手(外国人選手以外)の年俸総額は約34億円にも上る。石井監督がGM時代に大型補強を繰り返した影響が大でソフトバンク、巨人に続き、NPB12球団のうち3番目の高さだ。一方、選手会のアンケートによると、昨オフの契約更改での楽天選手の「満足度」は全球団で最下位の約24%。さらに今季の本拠地の観客動員に目を向けると、他球団が軒並みコロナ禍から回復基調にあるにもかかわらず、1試合平均で約1万8000人と昨季から増えるどころか微減で、12球団最低の数字だ。

 元NPB球団監督はこう指摘する。

「高額年俸を払っているのに、チーム成績につながらない。その上、選手は金額に満足していない。東北に縁もゆかりもない監督でファンの関心が低いようで、GM時代に強化できなかったことへの責任を取ってないことに反発もある。本人も既に現場仕事への意欲を失っていると聞き、選手への求心力はない。放っておけばチームはまた暗黒時代に入ってしまう」

GM時代の仕事は今や“ブーメラン”

 石井監督は18年シーズン中にGMに就任した。そのオフ以降、浅村栄斗、涌井秀章、牧田和久ら有力選手を次々と獲得。監督との兼任となった21年には田中将大がメジャーから復帰した。石井GMは西武時代の人脈や自身や多数のプロ野球選手がマネジメント契約を結ぶ吉本興業をバックに西武、吉本所属の選手との交渉では特に、強みを発揮した。

 それでも、特定のポジションに選手が偏る課題を解消しないなど、GMとして効果的な手を打ったとは言い難い。GMでの仕事への批判がピークに達したのは19年に3位と健闘した平石洋介監督(現西武ヘッドコーチ)を、たった1年で解任した時だった。「僕の中ではBクラスと同じ」との不可解な評価で、ヤクルト時代の後輩の三木肇監督を後釜に据えた。それも1年で交代させると、今度は自らが監督として登板。

「今年Aクラスに入れなければ、(石井監督は)この3年間で1度しか3位がないことになる。平石を解任したり、三木を代えたりしたこととの整合性が取れず、低迷の責任からは逃れられない」(同元監督)

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