慶応の強烈すぎる大声援に敗れた仙台育英…育英・須江監督の嫌な予感が的中、「運が悪かったという他ない」

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応援のレベルが異常だった決勝戦

 だが、どれほど事前に用心を重ねていたとしても、実際にグラウンドに立ち、体で音圧を受け止めれば、激しく動揺しても不思議ではない。試合展開も大きな影響を与えたはずだ。担当記者が言う。

「これまでにも応援が話題になってきた慶応でしたが、決勝戦はレベルが違いました。アルプススタンドが満員なのは言うに及ばず、三塁側は大半が慶応を応援していました。球場の半分以上が慶応に声援を送っていたことになります。おまけに1回の表、先頭バッターの丸田湊斗くんがホームランを放ちました。これで観客のボルテージが一気に盛りあがり、球場全体が異様な雰囲気に包まれました」

 朝日放送テレビは決勝戦の中継を行い、日本大学第三高等学校で野球部の監督を務めた小倉全由氏と、早稲田実業で優勝に輝き、日ハムで投手として活躍した斎藤佑樹氏が解説を務めた。

「小倉氏も斎藤氏も共に、異様な球場の雰囲気について、序盤から言及していました。仙台育英の先発は湯田統真くんでしたが、なかなか球が低めに投げられず、両氏とも『いつものピッチングではない』と指摘。湯田くんが慶応一色となってしまった甲子園の雰囲気に呑まれてしまった可能性が浮かび上がりました」(同・記者)

センターとライトの交錯

 Xではテレビ観戦のファンからも《テレビで見ててもうるさい》、《テレビ越しでも怖いぐらいだから現場は凄まじいのかも》、《テレビでもこれだけ地鳴りのように聞こえる慶応の応援》──などなど、驚きの声が相次いだ。

 何しろWBC(ワールドベースボールクラシック)の時や、阪神ファンの応援より、慶応のほうが音圧は強いのではないかという意見も出たほどだ。

「朝日放送の実況では、実際に育英の選手に悪影響が出たのではないかという指摘も飛びだしました。5回の表、慶応の攻撃は2アウト。ところが連打が続き2点を追加。さらに丸田選手の打球はセンターフライかと思われましたが、育英のセンターとレフトが交錯して捕球できなかったのです。解説の小倉氏は『両選手の声が応援で聞き取れなかったのではないか』と推測しましたが、Xでも同じ指摘が相次ぎました。いずれにしても、この回は慶応が5点を奪うビッグイニングとなり、試合を決定づけてしまったのです」(同・記者)

 もちろんXでは「慶応の応援が育英の敗因ではない」という投稿も多かった。

《声援のせいで負けたとか言ってる人いるけど選手には関係ないんだから優勝したんだから褒めてあげようよ》

《応援の影響?関係ないよ。慶応打線が仙台育英の投手陣を打ち崩し、慶応投手がよく抑えた。ただそれだけ》

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