巨人、ドラ1「浅野翔吾」がプロ初本塁打 打撃フォームで気になる点が一つ【柴田勲のセブンアイズ】

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中継ぎ陣の脆さ

 巨人は6月30日に抑えの大勢が上肢のコンディション不良で出場選手登録を抹消されるアクシデントがあった。いまだにジャイアンツ球場でリハビリ中だ。

 これは大きかったが事情はどこも一緒だ。巨人は中川皓太が大勢の代理として抑え役を担ったが荷が重かった。1点差で出てくる投手ではない。7・8回の男だ。

 終盤の大詰めに来ると中継ぎ陣の出来が左右するが、巨人は中継ぎ陣の脆さが接戦を落とすことに直結している。

 阪神が接戦に強いのは言うまでもなく中継ぎ陣が充実しているからだ。

 打線にしても相変わらずタイムリーが少ない。本塁打による得点がメインとなっている。あと一本が課題だ。

 主砲の岡本和真が34号本塁打を放って通算200号に王手をかけている。22日から東京ドームにヤクルト、阪神を迎えて上位進出に向けて負けられない6連戦だ。

 岡本和の好調は心強い材料だ。課題はそう簡単に解決しない。とにかく岡本和の前に走者をためることだ。主砲が打てばチーム全体が勢いづく。岡本和の活躍次第だ。

 DeNAもトレバー・バウアーを始め先発陣が充実しているし、投打のバランスが取れた、いいチームだ。ズルズル落ちていくとは思えない。

 残り35試合、巨人は一戦一戦、トーナメントのつもりで戦うしかない。いまこそチーム一丸となる時だ。

浅野の気になる点

 ドラフト1位の浅野翔吾外野手が広島戦でプロ初本塁打を放った。巨人の高卒新人の本塁打は15年の岡本和以来、7人目だという。

 まずはおめでとうと祝福したい。これからいろんな課題を乗り越えていくのだろうが、外から見て目に付いたのが、打撃フォームの硬さだ。そのガッチリ体形もあってか、打席でガチガチに構えているように見える。

 もっと柔らかく構えたらどうだろう。ヒザや腰が柔軟に動く。来た球にももっとスムーズに対応できる。相手投手に、どんな球にも手が出るな、こう思わせることができるかもしれない。頑張ってほしい。

 たとえ3位に食い込んでも相手は苦手の広島が濃厚で、おまけに鬼門の球場で戦うことになる。残り4試合は絶対に負けられない。苦手意識を抱えたままでCSに臨むワケにはいかない。

 それよりもヤクルト、阪神との6連戦だ。浮上していることを願うばかりだが、来週の今頃はどんな話をすることになるのか。
(成績は21日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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