原爆の聖地で大ハシャギ、酷すぎるお土産品、募金で原爆投下ショー…日本人男性がアメリカで見た“呆れた光景”【映画バービー・キノコ雲騒動の闇】

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信じがたいお土産品

 日本人が広島の原爆ドームや長崎の平和公園を訪れるのは、長崎市の平和公園を訪れるのは、犠牲者の慰霊や鎮魂といった敬虔な想いによるものだ。平和を希求するという願いもあるだろう。だが、アメリカ人にとってのトリニティ・サイトは“産業遺産”に近いようだ。

「アルバカーキには国立原子力博物館があるので、そこも訪問しました。原爆投下後の広島と長崎の様子を撮影した写真も展示されていましたが、壊れた建物の写真ばかりで、死傷者を捉えたものは見当たりませんでした。隅には『広島と長崎の原爆投下をどう思いますか?』と感想の記帳を求めるコーナーがあり、見ると『アメリカ人であることを誇りに思う! ゴー、アメリカ!!!』と書いてありました」

 お土産も原爆をモチーフにしたものばかりだったという。キノコ雲のイラストが描かれた帽子、Tシャツ、マグカップ、ワイン。広島に投下されたリトルボーイと長崎のファットマンをデザインしたピアス……。

 翌20年、男性はテキサスで開かれた“原爆投下ショー”も見に行ったという。本物のB-29が観客の前を飛び、原爆投下を再現するのだ。

「トラ・トラ・トラ」ショー

「アメリカに第2次世界大戦で使われた軍用機を動態保存する民間団体があります。年に1回、軍用機を飛ばすエアショーを全米各地で行うのですが、20年はテキサスで開かれました。この時、人気のB-29は5年前の飛行を最後に引退していたのですが、全米から募金を集め、テキサスで復活のお披露目飛行を行うということで話題を集めていました」

 この時も、日本人はこの男性だけ。やはりアメリカ人は屈託がない。6歳と12歳の子供を連れた母親が「私も20ドル、募金したの。B-29は子供たちが歴史を理解するには素晴らしい教材よ」と男性に話しかけた。「果たして、このお母さんは東京大空襲のことを知っているのだろうか?」と考えずにはいられなかったという。

 そして始まったエアショーのタイトルは何と「トラ・トラ・トラ」。真珠湾攻撃の「ワレ奇襲ニ成功セリ」を意味する有名な暗号だ。

「ショーは太平洋戦争の戦史を当時の軍用機を飛ばして再現するというものでした。進行役が『リメンバー・パールハーバー!』と絶叫すると、レプリカの日本海軍機が登場し、真珠湾奇襲を再現します。B-25による東京初空襲など、アメリカが日本を打ち破る場面が続き、最後が原爆投下でした。飛行するB-29が爆弾倉の扉を開けると、地上でハリウッドのスタッフが制作したキノコ雲そっくりの火柱が上がるのです」

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