103年ぶり決勝進出の慶応高校に、SNS上では否定的な声が… 「応援」、「マスゴミの持ち上げ」、そして…3つの理由とは
批判される「意識の高い人々」
2つ目は、「チームとしての慶応は応援している。快進撃も素晴らしい。だが、慶応躍進の尻馬に乗って丸刈りや勝利至上主義を批判する連中が嫌いだ」という意見だ。
まずはポストの具体例から紹介しよう。《慶応高校は好きだし応援してるけど、慶応高校が勝つと湧いてくる『今の時代に丸刈りは~』『効率的な練習が大事で根性論は~』みたいな人達は心底嫌い》、《マスコミの慶応推しが露骨すぎて気持ち悪い。慶応悪くないのに慶応嫌いになるわ》──といったものになる。
「批判の対象になっているのは、マスコミ、一部の識者、そして“意識の高い人々”です。高校野球の長い歴史を考えると、慶応が非常に革新的なチームであることは間違いありません。しかし、必要以上に慶応を称賛すると、他のチームを『丸刈りばかりで改革の意識に乏しく、時代遅れのチーム』と批判しているようにも見えてしまいます。『慶応の関係者ならまだしも、第三者であるマスコミや識者が他チームを批判する権利はない!』という憤りの声は少なくありません」(同・記者)
将来はプロ野球選手ではなく弁護士
そして最後は、《貧乏人のひがみ》と自虐しているポストもあるが、「とにかく金持ちの多い慶応は嫌いだ」という意見だ。
「誹謗中傷に近い投稿もありますが、その中で最も冷静なポストの1つが、《彼等はあまりにも経済的環境が良すぎる。スポーツも結局金か、ってなって欲しくない。公立が勝つってのは俺らみたいな家の希望》という投稿でしょう。特に近年はネット上で『野球は用具が高額で、万人に開かれたスポーツではない』という議論が盛んです。こうした論争も、慶応批判に影響していると考えられます」(同・記者)
投稿する側は意図的なのだろうが、「お坊ちゃん高校の慶応に野球一筋の高校が敗れている。ざまあみろ」といった、ことさらに論争を煽るポストも拡散している。
「反応する側も半分はネタなのかもしれませんが、『格差社会』や『親ガチャ』と結びつけたポストが注目されています。『恵まれた親の財力があるからこそ、文武両道が成り立つ』というわけです。実際、慶応の森林貴彦監督(50)は、自校の野球部に入るためには『経済的なハードルもあります』と率直に認めています。野球部員へのアンケート調査でも、プロを目指すと表明したのは少数派で、将来の目標は弁護士や会社社長と答えた部員が相当数いたそうです。普通の野球部とチームカラーや伝統があまりにも違いますから、どうしても目立ちます。決勝戦の当日も様々なポストが投稿されるのでしょう」(同・記者)
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