「こっちは工藤會だ」 カタギの人間をターゲットにし続ける最凶組織が関東・京都で暗躍中

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大学生から800万円相当以上を巻き上げる

 たとえば、同じ千葉では今年1月、工藤會組員が絡んだ県警の警察官への「美人局(つつもたせ)事件」が発生している。記憶されている方も少なくないのではないだろうか。

 事件の概要は以下の通り。

――2021年8月、20歳の男性警官がマッチングアプリで知り合った女性と飲酒し、彼女を乗せて飲酒運転をしていた。赤信号で停車した際に後ろの原チャリに乗っていた男が「追突」を偽装して申告。警官が警察への連絡を逡巡・拒否すると、原チャリ男は態度を豹変させ、バイクの修理代などとして160万円を脅し取った――。

 その後、恐喝の罪で、工藤會系組員の男や風俗店従業員の男、建設作業員の男、そしてマッチングアプリで誘い出した女性らが起訴されている。共謀して男性警官をハメたというわけだ。

 実はこの組員らは22年7月、大学生への強盗致傷の罪でも逮捕・起訴されている。

「大学生は建設作業員の男に120万円を貸しており、返済を迫ったところ、これを拒否された。そのあとに登場した組員から暴行を受け、イタリア車や現金など800万円相当以上の金品を強奪されました。その際に組員が工藤會の名前を出したとされ、捜査当局は色めきたったわけです」(先の記者)

京都にも進出

 暴力団、しかも特定危険指定暴力団が絡んだ案件であることから、警視庁と福岡県警の暴力団担当部署が合同捜査本部を設置するに至った。この強盗致傷事件の捜査の過程で、千葉の美人局事件も把握されたと見てよいだろう。

「工藤會は千葉のみならず京都にも進出していて、京都ではまだ看板を掲げていないというふうにも聞きました。他の暴力団組織に比べ、突出してカタギの人間をターゲットにしがちな組織であることは明らかでしょう。目的のためには手段を選ばず、最凶と呼ばれ、福岡の人々を恐怖に陥れたイメージをそのまま関東に持ち込み、犯罪をおこなっている印象がありますね」(先の竹垣氏)

 虫の息と見られた工藤會が本拠地から遠く離れた場所で、組織の名を口にして息を吹き返しつつあることに、捜査当局も忸怩たる思いでいることだろう。

デイリー新潮編集部

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