吉田・藤浪をMLBに送り込んだ辣腕スカウトが意味深発言 「吉田はあと4人いる」は誰のことか

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MLBでさらに飛躍する才能があるかどうか

 現在のMLB、そして、令和の日本プロ野球界では「バレル・スイング」が定着している。少し前に「フライボール革命」という言葉も持てはやされたが、要は昭和時代のアッパースイングで、「打球速度98マイル以上、打球角度は26~30度」に上がった打球は長打になりやすく、本塁打を打つための理想の組み合わせとも言われている。

 大谷翔平がその代表で、対して吉田はバットを水平に振り抜く「レベル・スイング」のバッターだ。さらにボラス氏は、

「日本市場を常に調査しているが、1人の選手を長期に亘って調査し続ける例は、それほど多くない。我々がMASAに魅了されたのは、高度な打撃技術だ。彼のようにボールをヒットゾーンに飛ばす技術を持つ打者は少ない」

 とも語っている。

 日本人選手を獲得したMLB球団、担当スカウトは「高校時代から見てきた」「プロに入団したころと比べ…」と、長期に亘る調査内容をアピールしてきた。また、日本人選手側も調査期間の長さを「誠意」と解釈してきた。

 だが、ボラス氏は調査の期間よりも、MLBでさらに飛躍する才能が見つけ出すことが重要だと言っている。その言葉通りであれば、「MLBで活躍できる選手を4人ほど見つけた」の意味であって、代理人契約を結べるかどうかは「これからの話」ということだろうか。

 NPB関係者はこんなことを話していた。

「オフシーズンの間、自身のスケジュール管理や取材要請をスポーツマネジメント会社に任せる選手が増えてきました。こうしたエージェント会社と選手の接近について、球団側の捉え方は両極端です。ペナントレースの主催ゲームのチケット販売に協力してくれると相乗効果を喜ぶ声もあれば、『選手の肖像権が使われる』と怒っている球団もあります。個人的にトレーナーと契約する選手も多いですし、エージェント会社や代理人と選手が親しくなっていくのは仕方のないことなのかもしれません」(在阪球団スタッフ)

 そうなるとやはり、ボラス氏のお眼鏡に適った「第2、第3の吉田」が気になる。単に体付きが似ているだけかもしれないが、思いつくのは巨人・岡本和真(27)、DeNA・牧秀悟(25)、日本ハム・清宮幸太郎(24)などがいる。打撃センスと選球眼の良さなら、広島・西川龍馬(28)、千葉ロッテ・山口航輝(23)といったところも思い浮かぶ。

「吉田をレッドソックスに売り込んだのは、ボラス氏のファインプレーですよ。ちょうど出塁率の高いバッターを探していたときで、本拠地球場のフェンウェイ・パークは狭いので、吉田の守備難はマイナスとなりませんでした。出塁率の高いバッターを探している球団の本拠地が広域球場だったら、吉田にはアタックしなかったはず。タイミングが良かったんだと思います」(前出・同)

 日本人スラッガーで成功したのは、イチロー氏(49)、松井秀喜氏(49)、大谷翔平など。チーム状況や本拠地球場との相性なども大事だが、体の衝突もある内野手にはまだ超えられないものもありそうだ。いずれにせよ、ボラス氏が日本人選手の新たな売り込みを企てていることは間違いなさそうである。

デイリー新潮編集部

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