刑期を終えて、神戸山口組の副組長宅に車両特攻の元半グレ有名組員が出所 「意外と大きなダメージを与えた」という評価が

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被害届は出されていない

「パトロール中の警官がいなければ事件として処理されていなかった可能性が高いですね。なお、その後、犯行を指示したとして、稲葉地一家の林雅志若頭と伊藤忠の吉川直行若頭が建造物損壊などの容疑で逮捕されました。林若頭は起訴されませんでしたが、吉川若頭は起訴されています」(同)

 吉川若頭の公判はすでにスタートしているという。

 実は本件に関して被害者の入江組長は被害届を提出していない。

 一方で、事件から5か月後の昨年10月、入江組長は神戸山口組を脱退した。脱退の直接の原因となったのは、井上邦雄組長との路線対立とされているのはこれまでにもお伝えしたように、以下の通り。

 現在、2社連合を組んでいる池田組との連携を主導したのは入江組長とされるが、入江組長はさらに池田組と「運命共同体」を標榜する絆會も抱き込もうという構想を実現しようとした。

 しかし、絆會は神戸側を以前に抜ける際に、井上組長のことを口をきわめて罵っていたことがある。

ナンバー3を脱退させた

 その件を看過し難いと感じていた井上組長は、入江組長の構想を否定。簡単にいえば、生き残りのためには戦略的に過去の恩讐も越えるべきか否かで、意見が合わず、入江組長は嫌気がさしたということになる。しかし、ここに車両特攻の影響を見る向きもいるという。

「入江組長としては考えた末の戦略が反故(ほご)にされたことに嫌気がさして脱退したと言われていますが、自宅への車両特攻も無関係ではないと指摘する声は少なくありません。抗争相手のナンバー3を脱退させ、独立組織にさせたとのはそれなりにインパクトがあり、A組員らの行動は組織内で高く評価されているはずです」(同)

 今更言うまでもないが、一般社会の業績評価などとはまったく異なる価値基準が存在しているのである。半グレ出身者が出世していくことは、ヤクザの世界にどのような影響を与えるのだろうか。

デイリー新潮編集部

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