【どうする家康】存在感のない家康、所作も作法も軽んじられ…岩盤支持層に不人気な原因は多数あった

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 NHK大河ドラマ「どうする家康」は残り20話弱。視聴率は高まらず、盛り上がりにも欠けている。期待されて始まりながら、どうしてなのだろう。考えてみたい。

松潤の家康の影が薄い

 13日に放送された「どうする家康」の 31話の視聴率は個人5.9%(世帯10.1%)。なんとか2桁に届いたが、福岡などの北部九州地区では個人3.8%(世帯6.6%)という信じられないほどの低視聴率を記録した(断りのない限り視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

「大河は再放送、BSプレミアム、BS4Kでも観られるから、視聴率が低く出る」と唱える向きもあるが、この放送条件は2年前から一緒。その2年前からの作品と比較しても「どうする家康」の視聴率はかなり低い。昨年の「鎌倉殿の13人」の31話は個人7.2%(世帯12.1%)、一昨年の「青天を衝け」の同話は個人8.1%(14.0%)だった。

 「どうする家康」の視聴率が伸びない一番の理由は、若者があまり観てくれないことにある。セリフのほとんどを現代語にしたり、ギャグを散りばめたり、時代劇経験がないに等しい嵐の松本潤(39)を主人公の徳川家康に起用したりと、若い世代に見てもらおうと苦心しているのは誰の目にも明らかだが、反応が良くないのだ。

 31話のT層(13~19歳)の個人視聴率は1.3%。F1層(女性20~34歳)の個人視聴率は0.7%。かなり低い。T層は横並びで下から2番目、F1層は同最下位。松潤効果が感じられない。

 一方で大河の岩盤支持層である50代以上を取りこぼしている。オーソドックスな大河とは大きく違うためだろう。新しいファンが思うように得られず、一方で旧来の支持者を失ったら、全体の視聴率は上がらない。

 支持が高まらない理由をさらに掘り下げてみたい。まず家康の存在感が強く感じられない。ずっとそう。タイトルからも分かる通り群像劇ではないのだから、家康が目立たないと面白くならない。

 前半の家康は武田信玄(阿部寛・59)、中盤までは織田信長(岡田准一・42)に圧倒された。現在は羽柴秀吉(ムロツヨシ・47)に押され気味。近く真田昌幸役で佐藤浩市(62)、石田三成役で中村七之助(40)が登場するから、今度は2人に押されてしまうのではないか。

 日常の場面からして家康が目立っているとは言い難い。周囲の家臣たちがうまい人ばかりということもあるだろう。酒井忠次(大森南朋・51)、石川数正(松重豊・60)、本多忠勝(山田裕貴・32)、本多正信(松山ケンイチ・38)、服部半蔵(山田孝之・39)。全員、主演級である。

 家康の髪型は26話から月代(ちょんまげ)になり、31話からは口ヒゲを生やしたが、そんな小手先のことで存在感は高まらない。

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