国際柔術大会で初の公式戦に挑む岡田准一と玉木宏 茶帯と青帯の2人はどこまで勝ち進むか
ズバリ、勝算はあるのか?
やはり気になるのが、岡田と玉木の勝算だ。
ちなみに、岡田のカテゴリーには14人、玉木のカテゴリーには36人がエントリーしている。
「まず、初めて試合に出場した柔術家たちが口をそろえるのは、『試合と練習はぜんぜん違う』ということ。岡田さんと玉木さんのカテゴリーの試合時間は5分で、普段の練習も5分でしているはずですが、1試合の疲労度は、練習のスパーリング5本分、人によっては10本分の人もいるはずです。練習はリラックスしてできますが、試合は失敗が許されず、どちらも負けることができないのでガチガチ。それに緊張度も加わるのでとても疲れます」
というのは、40代の現役黒帯柔術家である。
「1試合勝っても、次の試合までの間隔がそれほど長くないので、疲労回復もトーナメントを勝ち上がれるかどうかを左右します。今回、岡田さんと玉木さんと同じ道場からはかなりの人数が出場するので、そのあたりのサポートは万全でしょう」(同)
さらに岡田の場合、初の公式戦にもかかわらず、過酷なルールが待ち受けているというのだ。
「大きなルールの違いをいうと、紫帯までの足への関節技は、アキレス腱を極める『アキレス腱固め』のみがOK。ところが茶帯になると、いきなり足首を極める『アンクルホールド』や、ヒザを極める『ヒザ十字固め』もOKとなり、足への関節技の制限が少なくなります。岡田さんは茶帯になってから、練習では何度もくらっているかもしれませんが、試合で本気でくらったことがないのが不安材料でしょう。極められてタップ(=ギブアップ)するのが遅れると、大ケガにつながることもあります」(同)
とはいえ、2人にとってプラスの要素もあるそうだ。
「海外の選手を相手にすると、重い階級ほど日本人とのパワーの違いを痛感させられますが、岡田さん、玉木さんの階級はエントリーの人数が重い階級に比べて少ない。二人とも、かなりフィジカルは強いはずなので、パワー負けはしないでしょう。互角に渡り合えれば、うまくイケるのでは。岡田さんは多くても2回、玉木さんは3回勝てばメダル獲得ですが、トーナメントで勝ち上がるほど、相手がケガで不戦勝になったりすることもあります。なので、運も味方につけてしまえば、岡田さんも玉木さんもメダル獲得の可能性がありそうです」(前出・記者)
2人の師匠は、柔術界でも屈指のテクニシャンとして知られており、多才な技を身に着けているはずだという。
「岡田さんは相手の背後に回り込んでのチョークスリーパー、しっかり相手の体勢を固めてからのアームロック。手足の長い玉木さんは、下からの三角締めを狙うかと思われます。仮に一本が取れなくても、ポイントでリードしていれば勝ち。ポイントがなくても最終的にはレフェリーが勝敗を決めるので、とにかく失点せずに攻めの姿勢をアピールすることが重要です」(前出・柔術家)
これまで数々の作品で主演を務めている岡田と玉木だが、同大会で日本人選手の“主役”の座をゲットできるかが注目される。
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