「タワマン40階」にも“ゴキブリ”が出現する驚きの理由 フマキラー「虫博士」が教える最新撃退法

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物理的に動きを止める

 原理としては、夏の暑い時、人間の皮膚に冷却スプレーをかけますが、それをゴキブリ用にしたものです。通常の殺虫剤は、有効成分がゴキブリの体の表面に付着して、体内まで入り込んで神経に作用し、筋肉が硬直します。ただ、これは時間がかかるのですね。大体5秒から10秒でしょうか。すると、その間に逃げていなくなってしまうんです。ゴキブリって秒速2メートルで移動するんですよ! その俊足を生かして、5秒もあれば10メートル先の物陰まで逃げ、そこで死ぬ。これが耐えられない人も多いのです。

 そこで考案したのが、「物理的に止める」という方法。この効果は即時的です。スプレーが当たった瞬間にゴキブリが動きを止め、それを叩いて、ペーパータオルなどで捕獲するわけです。殺虫剤ではないですが、5~10秒の逃亡時間を“ゼロ”にするという発想です。ゴキブリを静止させるには熱を使うことも有効ですが、屋内では少々危ない。また、小さいお子さんがいたり、ペットを飼ったりしている人にとっては殺虫剤よりも安心。クワガタやカブトムシだって近くで殺虫剤を噴霧したら死んでしまいますからね。

ただ集合しているだけ

――毒を食べさせたゴキブリを巣に戻し、他のゴキブリにその死体や糞を食べさせて一網打尽、といった商品もあります。そもそも、ゴキブリは巣を作るものなのですか?

 鳥の巣のように家族で生活しているわけではありません。先程お話しした通り、ゴキブリは好む場所が限られるのです。そういうところに集まってしまいます。それは我々から見ると「巣」に見えますが、ただ集合しているだけです。クロゴキブリやチャバネゴキブリなどは、自分たちのウンコの臭いに集まる習性もあります。そういったところにホウ酸団子とか、毒エサ剤を食べさせると、すぐには死なないものの、吐いたり下痢をします。その排泄物をほかの個体が食べると、薬剤が混じっているので死んでいく。この方法でゴキブリを殺すことはできますが、まずゴキブリが集まる場所を見つけ、その後に、死骸の除去をしなくてはいけません。

――たしかに、冷蔵庫の裏などにあるゴキブリの集合場所を見つけるのは難しそうですね……。ゴキブリを見える場所に引きずり出して退治する方法はありますか?

 今、当社で好評なのが「ゴキブリワンプッシュプロ」です。ゴキブリがいそうな隙間にワンプッシュするだけで、ミクロの霧が奥まで届き、隠れたゴキブリを逃しません。このミクロの霧で隙間にいたゴキブリは隙間から出てきて死ぬので、効き目がハッキリとわかります。実際に効果を実感できるというところが大変好評です。また、殺虫効果は1ヶ月ほど持続するので、ゴキブリが住みつくことを予防できます。

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