北海道の怪物ヒグマ「OSO18」に“異変”が 「牛のロースだけ選んで食べるように」「例年と異なる不気味な行動パターン」
皮をキレイに剥いで…
オソの異変はそれだけではないと明かすのは、北海道猟友会標茶支部長の後藤勲氏(79)である。
「これまでオソは牛の内臓を先に食べて、後は他の部位をちょこっと口にする程度だったのに、直近の被害では背中の皮をキレイに剥いで、ロースの部分だけ食べている。こんな襲い方は今までにないんだわ。可かわいそうなことに、襲われた牛はあばら骨が見えた状態で生きていた。酪農家の人も“牛に顔向けできない”と言ってね。獣医を呼び注射で安楽死させるしかなかった」
オソの影響で猟師志望者が増加
神出鬼没で猟奇性を増すオソ同様、地元を悩ませているのは、事情を知らない“外野”からの声だという。
「役場やわれわれのところには、以前から動物愛護団体が銃で撃つなと言ってくることはあったんだけど、最近はよその猟師などからも“なんで捕れない”って文句が来る。標茶は起伏が激しい地形が多いし、オソは賢いから夜間に橋の下などを通って行動し、国道を渡る時も人目を避ける。絶対に姿を見せないんだ」(同)
とはいえ、後藤氏ら地元住民は手をこまねくばかりではないとして、こう話す。
「クマは増える一方なのに、高齢化などで猟師は足りなくなってきているから、時間はかかるけど次世代の担い手を育てることに力を入れるようにしています。この2、3年でオソが有名になってから、自分もクマを撃ちたいと標茶町に5、6人移住してきている。うち3名くらいは女性です」
見事オソを射止めたら、剥製にして標茶の博物館へ飾ると意気込むのである。