窮地のビッグモーターに大手コンサルはどんな再生計画を出すか 退任した兼重親子が今後、責任追及されるシナリオは
窮地のビッグモーターにとって救世主となるのか? 事業再生計画に大手コンサルタント会社が乗り出したという。今後、ビッグモーターはどうなる?
***
【写真を見る】「さすがにデカすぎ」成金趣味全開な“20億円の自宅”には茶室に噴水、滝まで… 兼重氏が住む約500坪の大豪邸と、別荘2棟の全容をみる
顧客車両の破損、損保会社に不正請求、店舗に面した街路樹の伐採、兼重宏行社長(当時)の傲慢会見……。数々の不祥事で揺れるビッグモーターの事業再生に、デロイトトーマツグループが携わっていると報じたのはテレビ朝日だ。コンサル業界の関係者は言う。
「デロイトトーマツは世界四大会計事務所の一つで、日本では監査法人として有名です。7月からビッグモーターの事業再生に携わるファイナンシャルアドバイザリーという部門は、企業再生やコンサルも行っています」
世界的コンサル会社が関与しているということは、鬼に金棒なのだろうか。それとも、他社に断られた末なのか。
「ビッグモーターは上場していないとはいえ、売上高5800億円と言われており、企業としては大きい。それなりの会社でないと、経験がないので請け負えないと思います」
経験が豊富なら、ビッグモーターも立ち直れるということか。
「大手コンサルとはいえ、魔法が使えるわけではありません。コンサル会社ができることと言えば、今後の経営プランというか、削れるところをどこまで削るか、再生するにはどういったメニューがあって、どこまでやる必要があるのかを提案するくらいです」
それだけ?
地に落ちたブランドイメージ
「ビッグモーターの不祥事は、こんな企業が令和の時代に存在していたのかと思うほど酷いものばかりです。会見で当時の社長の兼重氏は、ゴルフボールを使って車に傷をつけていたことを『ゴルフ愛好家への冒涜』と歴史に残る“迷台詞”を吐いて、顧客はもちろん自動車好きからも信用を失いました。店舗がクリアに見えるように街路樹を伐採するなどもってのほかです。おかげで中古車に興味がなかった人からも反感を買ってしまいました。ステイクホルダーの保険会社にも迷惑を掛けただけでなく、保険会社の監督官庁である金融庁、自らの監督官庁である国土交通省からも目を付けられてしまった。この負のサイクルから抜け出すのは、並大抵のことではありません」
立て直せるのだろうか。
「赤字などの止血を行い、もし手を上げてくれるところがあれば会社の売却も選択肢に入ってくると思います。例えば、6年で500店近くまで広げた『いきなり!ステーキ』が不振に陥った際、ペッパーランチ事業を投資ファンドに売却することで急場をしのぎました。こういったことはあり得るかもしれません。もっとも、ビッグモーターの場合、毀損したブランドのままではお客さんも戻ってこない可能性が高い。仮に事業を引き継いでもいいというスポンサーが現れたとしても、ブランドチェンジは考えるでしょうね」
[1/2ページ]