「河野さんにゴマをするために競走馬を…」 再エネで収賄疑惑の秋本議員は河野大臣の最側近

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「国会議員になれよ」

 では、疑惑の矛先が向けられた秋本氏とはどういう人物なのか。千葉県富里市議を2期務め、12年に千葉9区から初当選した氏は、その出馬の経緯を著書『自民党発!「原発のない国へ」宣言』につづっている。

 それによれば、河野太郎氏に出会ったのは法政大学大学院に通っていた市議時代のこと。講座の講師だった河野氏が「核燃料サイクルとプルサーマルの違いを説明できる人は?」と尋ねたのに対し、秋本氏が挙手してスラスラと答え、瞬時に気に入られた。河野氏に「お前、国会議員になれよ」と推され、12年の初出馬では10回以上も応援に入ってくれたのだという。

 秋本氏は河野氏を総理候補として推してきた菅義偉前首相のグループ「ガネーシャの会」にも名を連ねた。

「今でも衆院選になると、河野さんと菅さんはそれぞれ2回ずつくらい秋本さんの応援に入ってきます」

 とは、地元政界関係者。

「ただ、決して選挙に強いわけではなく、“自分の名前が地元で浸透しない”と不安を吐露していました。地元の演説会ではほかの政治家に“秋本という名前を出して演説してください”と懇願していたほどです」

「河野さんにゴマをするため」

 競走馬にのめり込んだのも河野氏の影響だとされる。

「市議時代、秋本先生が“馬好き”なんて聞いたことはなく、明らかに河野さんにゴマをするためだったといわれています。河野家は馬と縁が深く、河野さんはかつて日本競走馬協会の会長を、父の洋平さんはいまも日本軽種馬協会の会長を務めています」(同)

 政治ジャーナリストの青山和弘氏は、

「河野太郎さんといえば、小泉進次郎さんとともに、再生可能エネルギーの導入拡大に力を注いできました。秋本さんは河野さんにとって、手足となって動いてくれる数少ない若手議員の一人。総裁を目指す河野さんにとって貴重な仲間を失った、といえます」

 元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏はこう見立てる。

「特捜部は事件を手掛けるとき、横と縦の広がりを意識します。横、つまり同じ再エネ関係の議員で疑いのある人物はいないか。そして縦として、つながりの強い菅さんや河野さんなど“上”の議員に事件との関わりがないか。そういった問題意識を持って捜査しているはずです」

 明るい未来を切り開くと思われていた「再エネ」の闇、どこまで政界を汚染しているのか。

週刊新潮 2023年8月17・24日号掲載

ワイド特集「一瞬の夏 永遠の夏」より

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