「河野さんにゴマをするために競走馬を…」 再エネで収賄疑惑の秋本議員は河野大臣の最側近

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 盆前の永田町の静けさを吹き飛ばす“暴風”だった。秋本真利衆院議員(48)が風力発電業者から賄賂を受け取った疑いで、東京地検特捜部は事務所などを捜索した。この秋本氏、マイナカード騒動で不評を買う河野太郎デジタル相(60)の側近でもあって――。

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 現在4期生の秋本氏は、外務政務官として岸田政権の一角を担っていた。しかし、特捜の捜査を受け、ただちに政務官を辞任し、自民党を離党。党内では「脱原発」「再エネ推進」の急先鋒で知られており、自民党「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」(再エネ議連)の事務局長を務めていた。

 その再エネが事件の舞台だ。贈賄側は「日本風力開発」(東京・霞が関)の塚脇正幸社長(64)。同社は秋田県沖などの洋上風力発電事業参入を目指し、秋本氏に接近していた。

 社会部デスクが解説する。

「競走馬好きで知られる秋本さんは塚脇社長と“馬仲間”だったんです。一昨年秋に、共同で馬主組合を設立し、競走馬を購入したり、レースに参加するなどしていました。その組合の口座などに馬の費用として社長から約3千万円が送金されており、秋本さんはその見返りとして、同社が風力発電事業に参入できるような審査基準の見直しを国会で主張していたのです」

キーマンとなった人物とは?

 そのキーマンとなった人物がいる。馬主組合に関わる社長の知人A氏だ。社長の代理人弁護士が記者団に解説したところによれば、組合の出資比率は、秋本氏が45%、塚脇社長が45%、秋本氏の知人が10%となっているのだが、

「社長は自身の出資分をそのA氏名義にしていたのです。実は社長はA氏に対し借金があったとされ、京都の実家もA氏が買い取るほどで、社長は頭が上がらなかった。そのためA氏は組合の内情にも詳しかったとされます」(同)

 確かに塚脇社長の実家の登記を調べると、もともと塚脇家の所有だった土地と建物が2010年、東京地裁によって仮差押命令が下り、その後、会計士と税理士の資格を持つ人物が実家を購入している。

 その人物がA氏なのか。しかし、当の本人は取材には応じず、塚脇社長の京都の実家に赴くと家人が、

「京都と東京で生活圏も違いますから、分かりません」

 と言うばかりだった。

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