難航する原巨人の“ポスト丸”探し 今季ドラフトで狙う社会人選手の名前

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萩尾を育てて!

 また、今秋のドラフトでは「即戦力の大学生投手が多い」と言われている。もちろん、甲子園スターも無視できない。上位を投手で指名したとしても、3位以下で、丸と同じ右投げ左打ちの度会が残っている可能性も十分に考えられる。近年、指名候補の力量を見極めるため、プロ野球側は、大学生、社会人のチームとファームの試合を組んでいる。

「お目当ての選手と自軍のファーム投手を対戦させるのがいちばん分かりやすいからです」(前出・同)

 巨人はこの度会に“強い関心”があったようだ。しかも、この度会調査の一戦で巨人がマウンドに送り込んだのは、木下幹也(21)。そう、度会の横浜高校時代の同級生右腕である。「同級生対決」なら、成長度合いも確認できる。同日、度会のバットから快音は聞かれなかった。しかし、滞空時間の長いライトフライとレフトフライを放っており、大砲タイプとしての打撃センスは伝わったようである。

 今秋のドラフトに関しては、こんな情報も聞かれた。「度会調査」の翌5月31日から、日米選手権への出場を見据えた大学生球児の強化合宿が行われた。見守っていた12球団スカウトの一人がチームスタッフにこう声をかけた。

「今年は大人しいですね?」

 大学生たちは寡黙だが淡々と練習メニューをこなしている、そんな印象を受けたのだろう。すると、そのスタッフがこう返したそうだ。

「だって、今年は萩尾がいませんから」

 巨人の2位ルーキー・萩尾のことだ。萩尾は声を張り上げて士気を高めるだけではなく、チームをまとめ上げていくキャプテンシーも持っていた。巨人もそれをプラス査定として2位指名したそうだ。

「15日の中日戦が台風の影響で中止となり、原監督は浅野のことを質問され、『多少は自分の中で余裕はあるかもしれませんね。経験をさせることはとても大事なこと』と話していました。その言葉通りなら、しばらくは浅野を試合で使っていくのでは」(前出・スポーツ紙記者)

 クライマックスシリーズ進出をかけて、巨人はまだペナントレースを捨てていない。浅野も起用するが、重要な一戦では経験豊富な丸を使ってくるだろう。浅野、萩尾は右打ちであり、レギュラー定着までまだ時間が掛かりそうだ。丸を脅かす左打ちの逸材が見当たらないとなれば、「2年連続で外野手を上位指名する」可能性は十分、ありなのかもしれない。

デイリー新潮編集部

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