難航する原巨人の“ポスト丸”探し 今季ドラフトで狙う社会人選手の名前

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リードオフマンよりもクラッチヒッター

 今オフ、巨人の外野布陣が一気に変わるかもしれない。

 左膝の蜂窩織炎で登録を抹消されていた丸佳浩(34)が一軍に合流した(8月15日)。しかし、今回の復帰は、スタメン出場を確約するものではなかった。

「丸は7月にも打撃不振でファーム再調整となっていました。でも、そのときは一軍復帰と同時に3打数2安打と大活躍でした。対戦相手も今回と同じ中日だったので、『もう一度!』と期待する声が多く聞かれました」(スポーツ紙記者)

 長野久義(38)、梶谷隆幸(34)、ブリンソン(29)、重信慎之介(30)、浅野翔吾(18)、オコエ瑠偉(26)、ウォーカー(31)、松原聖弥(28)、岡田悠希(23)、ドラフト2位ルーキー・萩尾匡也(22)。他球団に比べれば外野手の人数は、むしろ多いほうだ。

 また、登録は内野手だが、秋広優人(20)は外野での出場機会も増えている。秋広以外にも外野の練習をしている内野手は少なくなく、育成選手枠にも強肩堅守の逸材が多い。もっとも、丸のスタメンが保障されないのは「レギュラー争いの激化」だけが理由ではなかった。

「昨季、34歳となるシーズンを迎えた坂本勇人が肉体的な衰えを隠せなくなり、一学年下の丸も、同じ34歳を迎えました。彼の後釜を考える時期に来ています」(前出・同)

 近年、丸は打撃成績を落としている。外野手といえば「出塁して走る」リードオフマンのイメージも強いが、原辰徳監督(65)の求めるものは違う。他のレギュラー選手との兼ね合いもあるが、外野手はリードオフマンではなく、走者を返すクラッチヒッターなのだ。

「好機に強い強打の外野手が欲しいのですが、梶谷、長野はシーズンを通して出場できません。ブリンソンは走塁でのウッカリミスが多く、オコエは好不調の波が大き過ぎます。浅野、萩尾、岡田はこれからの選手ですが、一人前になるまでまだ時間が掛かりそう」(関係者)

「右投げ左打ち」の好選手

 そんな理想の外野手がなかなか見当たらないからだろう。こんな情報も駆け巡っていた。「今秋のドラフト会議で、巨人が『打てる外野手』を上位指名する」と。ドラフト候補のなかに「ポスト丸」の逸材がいるのだろうか。

「昨秋のドラフト会議で、巨人は1位・浅野(高松商)、2位・萩尾(慶大)と上位で2名の外野手を指名しました。ドラフト上位ということは、近い将来、レギュラーになることを想定して指名したわけです。レギュラー外野手2人を指名した翌年にまた外野手を指名するなんて考えにくい」(ライバル球団スタッフ)

 5月30日、巨人三軍は社会人・ENEOSと練習試合を行った(プロ・アマ交流戦)。

 そのENEOSには、今秋のドラフト会議での上位指名も予想される外野手・度会隆輝(20)がいた。元ヤクルト・度会博文氏(51)の子息で、横浜高校時代は1年夏からベンチ入りも果たしていたが、故障などもあって、社会人チームに進んだ。

「昨夏の都市対抗では本塁打4、打率4割強と大活躍し、大会MVPに相当する橋戸賞、若獅子賞、打撃賞の3賞に輝いています。チームの9年ぶり優勝にも大きく貢献しており、昨年夏の時点で『2023年ドラフト1位候補』とも言われるようになりました」(アマチュア野球担当記者)

 橋戸賞、若獅子賞のダブル受賞は史上3人目。横浜高校時代はアベレージヒッタータイプで、ソフトバンクの近藤健介(30)に近い雰囲気だった。俊足、強肩。ENEOSに進んだ後はパワーも加わり、阪神・近本光司(28)を彷彿させる。

「セカンドもできるとは聞いていますが、主にライトを守っています。ズボンの右後ろのポケットにロージンバッグを忍ばせていて、守備の合間に右手につけています。外野から返球するさい、すべって変な方向に球がいかないようにという本人のこだわりです」(前出・同)

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