バイデン大統領は中国を「時限爆弾」扱い…核心部分は不動産最大手「碧桂園」の債務超過問題

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中国の景気減速が米国に波及する可能性

 中国政府は恒大集団と同様、碧桂園に「救いの手」を差し出すことはないと見られている。

 碧桂園の利子の支払い遅延を受けて、米金融大手JPモルガンは「運用資産2兆8000億元(約56兆円)相当の中国の不動産投資信託のリスクが高まる」との警告を発した(8月14日付ロイター)。

 イエレン米財務長官は8月14日、中国の景気減速が米国に波及する可能性を認めたものの、碧桂園の問題に言及することはなかった。

 だが、筆者は「この問題は米国の金融市場に飛び火するのではないか」と考えている。

 米国では商業用不動産ローンが問題になっているが、企業向け貸し出しも警戒され始めている。米企業の債務残高の対GDP比率は昨年末時点で76.0%と、リーマン・ショック時を超えていることが背景にある。

 中国の不動産企業のドル建て社債の発行残高は約1000億ドルと言われているが、碧桂園の利子の支払い遅延後、ジャンク(投機的格付け)債を中心に投げ売りの状態となっている(8月15日付ブルームバーグ)。

 今後、中国の不動産企業のドル建てジャンク債のデフォルトが多発するような事態になれば、米国の社債市場全体のセンチメントが一気に悪化する可能性は排除できないだろう。

 中国の不動産企業の債務危機が、米国を始め世界の金融市場に悪影響をもたらさないことを祈るばかりだ。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮編集部

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