【ゴルフ】ミケルソンがギャンブルで賭けた額は「30年で10億ドル以上」 元パートナーが出版した暴露本のスゴイ中身
メジャー6勝、PGAツアー通算45勝の米国人選手フィル・ミケルソン(53)は、長年、タイガー・ウッズ(47)と並んで「ゴルフ界のビッグ2」と呼ばれ、米国の国民的人気を誇るスーパースターとして崇められてきた。それと同時に、数々の騒動を引き起こす「お騒がせ選手」でもあった。そんなミケルソンのギャンブル癖に関する暴露本が議論を呼んでいる。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】
【写真】52歳で「大学時代の体重」に戻したというミケルソンのスリムな姿
お騒がせでも「憎めない選手」
メジャー大会で勝てそうで勝てない試合を繰り返していた時期、ミケルソンはドロー用とフェード用の2本のドライバーをバッグに入れて人々を驚かせたり、米メディアをすべてシャットアウトする取材拒否をしたり……。しかし、今思えば、そうした騒動はほんの序の口だったように感じられる。
メジャー・チャンピオンとして存在感を強めてからのミケルソンといえば、試合中、グリーン上で動いているボールを自分のパターで打ち返したり、長女のハイスクールの卒業式に参加するため全米オープンを欠場したりと、大騒動を引き起こした。メジャー大会の試合経過より、そうした騒動のほうが大きな注目を集めたほどだ。
さらに彼は、ぶくぶくと太っては「僕は生まれつき痩せることができない体質だとドクターから宣告された」と主張したこともあった。それにもかかわらず 、数年後には特殊なコーヒーを飲んで「こんなに痩せました」と、すっきり体型で登場。そのたびにゴルフ界は騒然となったが、どの騒動も「いかにもミケルソンらしい」などと苦笑され、彼はゴルフファンからも米メディアからも「どこか憎めない選手」として愛されてきた。
リブゴルフが創設される直前には、PGAツアーを「欲深い人々」、サウジアラビア側を「恐ろしい人々」などと侮辱する問題発言をして、スポンサー契約を失う騒動もあった。いざリブゴルフへ移籍してからは、そうした騒動からは遠ざかり、ある意味、平穏な日々を過ごしていた。
しかし、今回は様子が違っている。ミケルソンの長年のギャンブル・パートナーが出版した暴露本の内容は、彼のプロゴルファーとしてのキャリアを揺るがしかねないもので、米ゴルフ界はまたしても「ミケルソン騒動」に直面している。
驚くべきギャンブル癖
ミケルソンのギャンブル好きは以前から有名だった。しかし、今回、暴露された内容は、想像を大きく上回るものだった。
ミケルソンの「ギャンブル・パートナー」と言われていたビリー・ウォルター氏(77 )が、インサイダー取引で逮捕・起訴されたのは2017年のこと。当時、ミケルソンも捜査対象に上がり、PGAツアーの試合会場にFBIの捜査官が乗り込んできて騒然となったこともあった。
だが、ミケルソンは100万ドル超の罰金を科されたにとどまり、一方のウォルター氏は禁固5年を言い渡されて服役。そのウォルター氏が刑期を終えて出所し、このたびミケルソンのギャンブル癖に関する暴露本を出版した。
《ミケルソンは何十万ドルという6ケタの賭けを何千回も行ない、大きな儲けを得ていた》
《この30年でミケルソンが賭けた総額は10億ドル以上に及ぶ。賭けで負けた損失額は少なくとも1億ドル以上だ》
日本円にして1400億円超を賭けたというこの暴露は、PGAツアー選手たちの間を駆け巡り、みな驚きを隠せない様子だ。ミケルソンがギャンブル好きであることは多くの選手の知るところだが、米ゴルフウィーク誌によれば、他選手たち、とりわけコリン・モリカワ(26)は「まさか、これほどの大金が動いていたなんて……」と目を丸くしたという。
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