料理家・和田明日香に感じる、平野レミへの「姑コンプレックス」 サバサバキャラが無理しているように見える理由
共演者や姑に対する「芸能人だからって特別扱いしない」という強気スタンス 芸能一家ならではの過剰な自意識と庶民派思考
松ちゃんをして「お蔵(入り)回」と震撼せしめた「酒のツマミ~」だが、全編見た限りでは、にこやかに持論を語りまくるLUNA SEAのSUGIZOさんと、へべれけのTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEの陣さんのアンコントローラブルぶり、全体をフォローする伊藤さんの奮闘ぶりの方が目立った。
ネットニュースになったとはいえ、明日香さんが気の強さを見せて目立っていたのは最初くらいで、どちらかといえばトークバラエティー慣れしていない地金が見えてしまったかな、という印象だ。
「晩年に住みたい場所」というテーマが始まって間もないうちに、唐突に南海トラフ地震のリスクを語り出したり、時には隣の陣さんにもツッコんだりしていた明日香さん。でも地震の話は不安をあおるだけに広げにくいし、陣さんへのツッコミも切れ味が悪いので拾いにくい。周囲の売れっ子芸能人にも忖度しない強心臓キャラとして見せたいのかなと思いつつも、毒舌にも天然にも振り切れない微妙なラインにとどまってしまったように感じた。
それはレミさんとの共演でも感じるポイントである。ハイテンションのレミさんに対し、つっけんどんな口調で「はいはい」といういなし方をすることが多い。有名人だろうけど、あたしにとっちゃただの姑よ、と言いたげなスタンス。番組を進めるには冷静な対応も必要ではあるものの、いつも笑顔で朗らかなレミさんと比べると、どこか殺伐として見える時もある。
芸能人だからって遠慮しないわよ、という姿勢。でもそれは、芸能人への過剰な意識の裏返しではないだろうか。彼女の振る舞いには、庶民的であることへのこだわりも強く感じる。
例えば彼女のレシピ本には、「ほったらかしレシピ」や「地味ごはん」なる名前がついている。日本の女性は忙しいし疲れている。手間暇かけて彩りの良い料理なんて無理。料理下手だったからこそ、そういう庶民の声を代弁するのが私の役目。芸能一家の中でのコンプレックスをバネに、そういうポジション戦略を考えたとしてもおかしくない。だからことさらに、メディアでも「ドライ」「ガサツ」な振る舞いを選んでいるように見えるのだ。
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