「闇バイト」が狙う“金がありそうな家の名簿”はどうやって作られているのか【元暴力団の証言】

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半グレの犯罪は、カタギの協力者がいるケースが散見される

 現時点で、広域連続強盗事件で使われた名簿の出所は分かりません。しかし、この元暴の人が示唆するように、入手経路は複数存在します。

 闇名簿の問題は、彼が言及している通り、名簿をカタギの人が裏社会に流さないと出回らないのかもしれません。そうすると、小遣い稼ぎのために流した名簿データから、狛江事件のような悲劇が生まれてしまう可能性があります。

 もう数点、筆者が講演などで注意を促していることがあります。ひとつは、夜の酒類を提供するお店で、持ち物の自慢や所持金自慢(札束をインスタに掲載するなどもってのほか)などをしないこと。インスタやフェイスブックに高級ブランド品などを所有している写真などを掲載しないことです。

 これは、自ら強盗のターゲットとして名乗りを上げているようなものですから、タワーマンションなど、セキュリティーに自信がある住居に住んでいたとしても控えるべきだと思います。

 たとえば、ABCテレビ「正義のミカタ」に筆者が出演した際、番組に出ていた有名な女性芸能人は、オートロック式のマンションに住んでいるとき、宅配便がきて、一階のロックは解除したものの、モニターに映る配送業者に不審な点があったため、自室のドアはチェーンを掛けて対応したそうです。

 玄関のドアのロックを外した瞬間、ドアを強く引っ張られたそうですが、チェーンを掛けていたために、部屋に侵入されることはなかったと回想していました。セキュリティーも万全ではないという貴重な事例です。

 もう一点は、ナメ役を家に入れないことです。ナメ役とは、江戸時代の押し込み強盗が使っていた用語です。これは、押し込み先の大店に、奉公人のような体で入り込ませて働かせ、カネの在りかや、内部の間取りなどを調べさせる者を指します。

 昨今では、木造住宅ではありませんから、江戸時代の盗賊のように、押し込み強盗団が大店を襲うことはありませんが、このナメ役は、個人には有効なのです。男性であれば、パパ活の女性やデリヘルの風俗嬢などを自室に呼ぶ可能性があります。そこで、女性が得た情報を、「家にカネありそうなところを知らないか。そこに本当にカネがあれば、(儲けの)一〇%をやるから教えてくれないか」などという者に教えると、タタキのターゲットにされかねないのです。

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