慶応高「森林貴彦監督」“高校野球の嫌いなところ”で大反響…夏の甲子園の試合後に「本音」を聞いてみた!

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「高校野球が全部嫌いなわけではないです(笑)」

 実際、慶応高校は全国で有志のチームによって行われているリーグ戦に参加している。また今年6月には、東北(宮城)、弘前学院聖愛(青森)との3校で行った練習試合で、ポジション別に各校の選手が交流する機会を設け、またチーム間でメンバーをシャッフルして行う「ミックスゲーム」も取り入れたという。

 この「ミックスゲーム」は、東北の佐藤洋監督が積極的に取り入れたもので、選手のコミュニケーション能力を高め、他のチームの取り組みや価値観を知る上でも有効とのことだが、以前、佐藤監督に話を聞いた時には、持ちかけても断られるケースも多いという。断る側の学校の理由は分からないが、2年半という短い高校野球の中で、そういった時間は無駄という考えはまだまだ多くありそうだ。

 森林監督は、慶応高校で内野手としてプレーし、慶応大では学生コーチを務め、一般企業で勤務した後に筑波大大学院でコーチ学を学んだ。2002年から慶応幼稚舎(小学校)の教諭になると、同時に慶応高校野球部のコーチに就任。2015年秋から監督となり、今大会が春夏合わせて5度目の甲子園出場となる。コーチ学を学び、普段は小学生と接しているということもあってか、選手の成長に対して強く意識していることは確かで、筆者の問いに対する答えにも、その思いが表れていた。

 ただ、そんな森林監督も、既存の高校野球の価値が高いことは当然認識している。先ほどの質問に続けて、「甲子園に出て改めて高校野球の良さについて感じたことはあったか」という問いをぶつけると、こう答えてくれた。

「学校関係者やOBの方に対して、こうやって甲子園に出て、みんなで校歌を斉唱できる機会が作れたというのは、お世話になった皆さんへの恩返しという意味では本当に良かったと思います。もちろん高校野球が全部嫌いなわけではないです(笑)。素晴らしい部分もいっぱいあって、それをより良いものにしていきたいという気持ちが強いです。既存の高校野球に対して、うちが風穴をあけるような存在になって、こういう形の高校野球もあるのかと多くの人に思ってもらえたらいいなと思います」

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