石原知事肝いり「環境浄化作戦」から20年…新宿・歌舞伎町のいま 警視庁が情報収集する「メンコン」トラブル

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水面下に潜った“サービス”

 かつてに比べ性風俗店の派手なネオンや卑猥な看板も目につかない歌舞伎町。しかし、その実態はどうなのか。

「風俗店の非店舗化、つまりホテルへの出張サービスに業態を変えました。店舗を構えない分、経費がかからないのですが、マイナス面も多い。サービスの現場がホテル内という密室のため、トラブルも急増しているのです。従業員の目が届く店舗型ではありえなかった、女性従業員への違法薬物の使用や強要、過剰なサービスの要求や盗撮などです。こうした被害に遭わないために個人で客を取る、つまり大久保公園の周りに立って直接客を取る女性も増えるのです」(元風俗店従業員)

 浄化作戦でいくら店を摘発しても、歌舞伎町に性欲を満たしに来る男性の総量は変わらない。基本は届け出制の店舗型風俗は警察も管理しやすいのだが、今は水面下でサービスが行われるため、警察の目も届きにくい。

 風俗店だけでなく飲食店にも大きな変化があったという。かつては深夜以降も平気で営業していたキャバクラやクラブも、取締りの強化により少なくなった。多くの飲食店が閉まる午前1時ごろ、街を浮遊する男性を狙ったぼったくり店への勧誘も相変わらず続いている。

「最近、警察が目を光らせているのが、出会い系マッチングアプリを使った事例です。素人女性を装い、SNSで知り合った男性を裏で手を結んでいるぼったくり店に連れ込み、法外な料金を取るというもの。歌舞伎町だけでなく各地の繁華街で同様の事案があり、逮捕のたびにニュースになりますが、被害はなくなりません。あわよくば、という下心を抱いた男性がいる限り、この手の犯罪もなくならないのでしょう」(前出・記者)

少女を狙う新しい手口

「マッチングアプリによるぼったくりもそうですが、もっと悪質な事例もあります」

 と言うのは、歌舞伎町に精通するライターの仙頭正教氏。ここにきて警視庁も本格的に検挙に乗り出し、情報収集を進めているのが、メンコン(メンズコンセプトカフェ)だ。

 メンコンとは、和装や学生服、あるいは王子様や執事、人気ゲームのキャラなどのキャラクターに扮した男性店員がいるカフェのこと。

「店員の中には俳優の卵や地下アイドル活動をしている人もいて、10代の少女を中心に人気を集めています。普通に営業している店はいいのですが、中には悪質な店もあります。問題はお客さんが推しの店員にお金を落とすこと。推しの男性店員とチェキが撮れるといった特典や、ただのミネラルウォーターなのにキラキラしたボトルに入った水を1本10万円で売りつけたり、推しに金をつぎ込むことで店外デートできたりするのですが、客の大部分は未成年です。でも、やっていることはホストクラブと変わりません」(仙頭氏)

 警視庁はこの4月と5月、歌舞伎町のメンコン2店を摘発し、店長や店員を逮捕している。うち1店では、客が18歳未満の少女と知りながら40万円のシャンパンを購入させていた。もう1店でも、2人の少女が未成年であると知りながら30万円のシャンパンを飲ませていた。2人は逮捕された店員のファンで、約80万円を支払っていたという。

「2件目で逮捕された店員は、この件とは別に、やはり未成年の少女と店の中でわいせつな行為をしていた件でも逮捕されています。まだ分別のつかない未成年の少女をたらし込むのは許せないことです。ただ、推しの男性店員に夢中になるあまりお金をつぎ込んでしまうのも問題で、そうしたお金に困った子が、売春などの違法なビジネスに手を出すもとにもなる。警察には、悪質店で被害を受けた本人だけでなく、親からの相談や被害も寄せられています」

デイリー新潮編集部

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