没後50年「ブルース・リー」 友人「チャック・ノリス」との関係を公認ファクトから探る
「ウォーリーが隠れているのはチャック・ノリスのせいだ」(オフィシャル チャック・ノリス・ファクト♯92)
「もしプロの戦いでブルース・リーを相手にしていたら、倒せたと思うか?」
この質問も、チャック・ノリスはうんざりするほど受けたという。整った肉体と素晴らしい技術を持った手強い相手――チャック・ノリスはブルース・リーをそう認識していた。それでも、共に汗を流し、同じ時間を過ごすのは楽しかったという。
〈俺とブルースが南カリフォルニアに住んでいたときのことだ。俺はブルースの家にいた。彼のガレージには、格闘技の技術を磨くためのマネキンがいくつか設置してあった。特に顔を振るマネキンはブルースのお気に入りだった〉
ブルース・リーは笑顔で「顔を蹴ってごらん」と言う。チャック・ノリスはかなりピッチリしたジーンズを穿いていたので「このズボンの時はやめておくよ」と言ったが、ブルースは譲らない。
〈俺は脚をあげ、マネキンの頭を回し蹴りした。はやいシーソーのようにいったりきたりと蹴っていたら、ジーンズが股の所で破けて、踵のところまで落ちてきた! ブルースがどれだけ笑ったことか! ブルースは稲妻のように早く、敏捷性もあり、身体の大きさに比べてとてつもなく強かったが、プロで戦うことはなかった。もし戦っていれば、きっと彼は世界チャンピオンになっていたことだろう〉
この後も、蹴りの習得法や回転踵蹴りをマスターしたことなどを綴るチャック・ノリスだが、
〈話を引き伸ばすのもここまでにしておこうか!
で、もし戦えばブルース・リーを倒していたかどうかって?
ブルースは俺の友人だ、対戦相手ではない。それに、ブルースの名言でここは許してくれないだろうか〉
そう語ってチャック・ノリスは、最後はこの言葉で閉めた。
「見せびらかして誇示するのは愚者のやることだ」
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