人違いで“ターゲットの父親”を刺殺…宮城「闇バイト」殺人事件の世にも奇妙な人間模様

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素性不明の「闇バイトのリーダー」

 こうして憎しみが最高潮に達したと思われる頃から、Aの情報を得るため、匿名掲示板へ書き込みをするようになった。Aから「お前も逮捕される」などと言いくるめられていたため、警察に被害届を出すことは考えていなかったという。Aが家族と住む家を見に行き、乗っている車や、車を停めている場所などを把握するなかで「闇バイト」を募集する複数のSNSアカウントにコンタクトを取るようになる。

「当初は興味本位でした。次第に、闇バイトを使って何かできるんじゃないかと思い始めた。だいたい10人くらいに連絡取ったと思います。今回の『闇バイトのリーダー』以外からは“前金がないとダメ”とか言われたんでシカトした。前金は詐欺の可能性が高いと思ったんで」

 Aに騙されたことから警戒心が強まっていたのか、複数の闇バイト仲介アカウントとやり取りを重ねた末、岩見は最終的に「Twitterで『殺人依頼』と調べたら出てきた」というアカウント「闇バイトのリーダー」のXに絞り込んだ。Xは自分のことや仕事について“東京の赤坂あたりに住んでいて、不動産関係の仕事をしているが、グループで違法薬物の売買や債権回収、いろいろやっている。他にも仲間がいる”と、岩見に話したという。

 岩見は「闇バイトのリーダー」を名乗るXの説明を「嘘だと思っていた」というが「ダメ元っていうか、興味本位で」Aについて依頼をしたのだそうだ。

「具体的には、懲らしめてくれと。バットでボコボコにしたり、ナイフで刺したり。山に埋めたりとか……。金の回収もしたいと伝えたが、Xからは『そういう奴から回収するのは難しい』と言われた。『それだったら殺したほうがいいよ』って言われて、わかりました、お願いしますと伝えた。当時は実行されると思ってなかったんで、そこまで考えてなかったです」

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