ピーコの逮捕に美川憲一は「人ごとではない」 おすぎの「死亡届」を勝手に提出していた凄絶同居生活【スクープその後】

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「人ごとではない」

 とはいえ、手を差し伸べられる事務所関係者などが周りにいれば、「逮捕」という最悪の事態は避けられたのではないかと思えてならない。ちなみに、逮捕によって主を失ったマンションの部屋はエアコンがつけっぱなしだった。管理人などが許可を得て中に入ったところ、飲みかけの酒が入ったコップがポツンと机に置かれていたという。

「今回の事件にはもうビックリしました。本当に逮捕されたの? けれど切ないわねぇ。マネージャーとか誰かケアしてくれる人がいなかったのかなって思ったの。ケアする人がいればまた違ったんでしょうね」

 そう慨嘆するのは、おすぎとピーコと交流があった歌手の美川憲一(76)である。

「年齢を重ねてくると本当に人ごとではないですよね。物忘れも多くなるし、足腰も弱るし。その中でもし一人で生きていかなきゃならないってことになったら本当に大変よね。自分がいつそうなっちゃうかなんて誰も分からないんですから」

 おすぎとピーコがそれぞれテレビやラジオで活躍してきたことについては、

「今は昔に比べて“オカマ”なんかにも理解が進んできたけど、昭和の時代は“男は男らしく、女は女らしく”。その中でくじけずに頑張ってきたことはすごいことだと思います」

“何が美川憲一がシャンソンよ”

 もっとも、美川としては同時代に活躍した二人をライバルと意識したことはないという。その一方、

「おすぎは先輩である私に対抗意識があったようなのよね。おすぎがコメンテーターをやっていたワイドショーにゲスト出演した時、私が“シャンソンも歌う”と紹介されると、おすぎが“何が美川憲一がシャンソンよ”って私の目の前で言うんです。私は頭にきて“このヤロウ、やってやろうじゃないの”と本気でシャンソンをやる気になったのよね」

 その後、シャンソンを始めたピーコが美川の元をあいさつに訪れたことがあった。

「その時、おすぎに“何がシャンソンよ”って言われたことを少し話に出すと、ピーコは、“おすぎの言ったことだけど、あの時はごめんなさい”と謝ってくれたの。おすぎに言われた時は本当に腹が立ったけど、ピーコが謝るものだからそれで水に流して、“あんた頑張んなさいよ”って声をかけたけどね」

 今は別々の施設で生活するおすぎとピーコが今後、顔を合わせる機会があったとしたら、その時、二人はどんな思い出話をするのだろうか。

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 一世を風靡したタレントの「想像を絶する老後」に注目が集まったこの問題。その後、女優・中村玉緒が今年1月のイベントを最後に表舞台から姿を消しており、親族や友人とも “音信不通” 状態が続いていたと、「NEWSポストセブン」が報じた。SNSでは、認知症で施設へ入所していたことが報じられた「おすぎとピーコ」を思い出し、気にかける声も相次いだ。超高齢化社会を迎えた日本のリアルを改めて突きつける一件となったのは間違いないだろう。

週刊新潮 2023年5月4・11日号掲載

特集「老老介護『半年もたず』“認知症”“酒を万引き逮捕” 『おすぎとピーコ』残日録」より

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