ペットショップ「クーアンドリク」で買った子犬が「恐怖のウイルス」に感染して4日後に死んだ 飼い主の悲しみを踏みにじった店側の「非情な対応」
営業継続に専門家は「あり得ない」
その思いはクーアンドリク側に届いているのだろうかーー。江ノ島店はその後も通常通り営業を続けていた。この対応について動物専門クリニック「Cafelier(キャフェリエ)」院長で獣医師の小林充子氏は、「あり得ない」と指摘する。
「犬パルボウイルスはワクチンを打っても発症する可能性があり、長いと10カ月くらい環境中に生存し続けます。消毒も困難なので、発生したところは一度封鎖して、完全消毒するまで一切動物を入れるべきではない。免疫のない子犬の場合、致死率は8割にも及ぶ恐ろしいウイルスです」
パルボウイルスに感染すると、犬はひどい下痢や嘔吐の症状を繰り返すという。
「飛び散った糞便、嘔吐物の中に大量のウイルスが含まれており、壁や床、ケージなどに付着し、人の手などを介してどんどん感染していきます。ウイルスを体に取り込んでしまうと、4日から1週間で症状が出てきます。当該犬がこの間、江ノ島店で過ごしていたのなら、他の子犬も感染している可能性は十分に考えられます」(小林氏)
クーアンドリクは書面で下記のような回答した。
〈法令の遵守はもちろん、動物取扱業に課せられる、又は適用される、各種ガイドラインや規程を遵守の上、真摯に対応させていただきました。(ウィルスの件について)一定数の確率で潜伏ウィルスは存在します。当該店舗並びにウェルネスセンターにおいて事前チェックを実施、体調面からくる受診、設備の衛生管理等あらゆる予防に努めております。その他、当該案件による感染はありませんでした〉
動物愛護管理法に基づき神奈川県内のペットショップを所管する神奈川県動物愛護センターにも取材を申し込んだが、「担当者が休暇中のためお答えできない」との回答だった。
取材の最後で、女性はこんな後悔も口にした。
「ペットショップで購入しなければよかったと考えました。私たちのような消費者がいるから、命を粗末に扱うペット業者が潤い、こんな悲惨な思いをするペットたちがなくならないんだと」
ただ、その思いは複雑で、こうもこぼす。
「でも、クーアンドリクに行って良かったとも思うんです。じゃなければ、ダディと出会えなかったので」