京都で隣人から「うちの前に車を停めてもええで」と言われても絶対に停めてはダメな理由 地元の不動産会社が教える「古都」のホンネと建て前
「どっからきはったん?」
だが、本当に京都移住を目指そうとすると、数えきれないほど多くの“落とし穴”が待ち受けているのだ。観光で足を運ぶことと、実際に住むことの間に、京都ほど大きな落差がある街も他にあるまい。
畑さんによれば、移住希望者がまず気を付けるべきは、京都人の「ホンネ」だという。
「京都人が“何を尋ねても笑顔を答えてくれる”のは、あくまでも観光客向けの顔と心得るべきですね。一定期間のお付き合いは笑顔で済ませても、隣に引っ越して来るとなれば話は別。ちょっとしたやり取りの行き違いで、相手の態度が数日前までとは全く変わってしまうこともあります」
たとえば、京都に家を建てるため、ご近所にあいさつへ訪れたとしよう。隣家の住人の第一声は「どっからきはったん?」。この時、京都府内の別の場所から越してきたのならともかく、“東京から来ました”などと嬉しそうに答えると、「なんで、わざわざ京都にきはったん?」と白けた雰囲気になることもあるという。さらに、「東京は便利でよかったんですが、京都の落ち着いた雰囲気に憧れまして……」などというのは避けた方がいい。「こんな不便なとこに、わざわざ遠くからすんませんなぁ」と返されるのがオチだからだ。
「大事なのは、決して“ふるさと自慢”をしないことです。京都人の物差しは“京都かそれ以外か”なので、引っ越す前の街について聞かれたら、枕詞に“京都にはかないませんけど”をつけて端的に回答するのが正解です。そうして上手く立ち回ると、“ええ人え”といった評判が町内に出回ることになります。ちなみに、うちの会社には先祖の代から京都に住み続けて7代目の女性スタッフがいるのですが、彼女によれば、同じ京都でも伏見から京都市内に引っ越すと“遠いところからよくきはって”と言われるそうです」
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