岸田総理、支持率が下がり続け“怪文書”まで… 頼みの綱「憲法改正」に手を付けられない理由とは

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「5月のG7広島サミットを機に、一旦は持ち直したものの、さすがに今回は厳しいですね。挽回に躍起になればなるほど、迷走ぶりが際立つ悪循環です」

 政治部デスクが言うのは岸田文雄内閣の支持率だ。

 毎日新聞が先月22~23日に行った世論調査では、支持は28%。同紙の調査で5カ月ぶりに30%を切ったが、同時期に読売新聞が行った調査でも35%と下落傾向が続いている。

「表向き、総理は“支持率は上がったり下がったりする”と強がっています。それでも、来年9月に予定されている総裁選に向けて、黄色信号が点灯したのは間違いありません」

 総理の周囲も悪い流れを変えようと躍起だ。

「先月26日には側近の一人・遠藤利明総務会長が講演で、岸田総理が党総裁に選出された頃の発言に触れました。“総理から(2022年の)参院選で勝ったら憲法改正をぜひやりたい、と聞かされた”というもので、改めてハト派の宏池会(岸田派)を率いる岸田総理だからこそ“憲法改正が一番やりやすい状況”と強調した格好です」

「任期中の改憲は至難の業」

 が、勝利した22年の参院選から1年。岸田総理が改憲を主導した形跡は見られない。いまになって“古証文”が持ち出された背景を、自民党幹部が解説する。

「憲法改正には膨大な政治的エネルギーが必要で、落ち目の政権にそんな余力は望めない。遠藤さんの発言には、安倍晋三元総理が目指した改憲への遺志を継ぐ姿勢をアピールし、自民党から離れつつあるコアな保守層をつなぎ留める狙いがあったんでしょう」

 清和会(安倍派)は、安倍氏の一周忌の後も後任会長を決められず、影響力が下降気味。それでも岸田総理が再選を目指すには、100人もの議員を擁する最大派閥の意向を無下にはできないというワケである。

 国会では自民と公明、日本維新の会に国民民主党を加えた4党が、大規模災害時などに国会議員の任期を延長する緊急事態条項創設に関する検討を進めている。

「とはいえ、岸田総理の任期中に改憲にこぎ着けるのは至難の業でしょう。改憲をブチ上げるなら緊急事態条項案だけを俎上に載せるのは筋悪で、自衛隊の明記まで踏み込まないと世論の関心は高まらないのでは」

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